「核先制使用も検討」軍事理論で周知
1月5日に、中国人民解放軍・戦略ミサイル部隊「第2砲兵隊」の内部文書で、核保有国と戦争に突入し、危機的状況下で有効な防衛策がない場合は、核兵器の先制使用も検討するという軍事理論を周知していることが明らかになった。
中国政府はこれまで、核の先制不使用を宣言しており、文書は「最悪の場合」を想定したものと思われるが、一方で、中国の核政策に対し、その不透明さを指摘する声もある。
胡錦濤主席の「核の先制使用はしない」発言と食い違う
現在、米ロ英仏中の核保有国5か国の内、敵から核攻撃を受けない限り、核兵器を使用しない「核の先制不使用」政策をとっているのは、中国のみで、胡錦濤国家主席も
いかなる状況下においても、核の先制使用はしない
と、発言している。
胡錦濤主席の発言と食い違う「第2砲兵隊」の内部文書について、有識者は「米国との戦争など、極めて可能性の低い、特殊な状況下を想定したもの」との見方だが、不透明な中国軍の核政策の一端が垣間見られる珍しい例といえる。
47NEWS「中国、戦時危機下で核先制使用も 軍事理論に明記」
http://www.47news.jp/CN/201101/CN2011010501000695.htmlMSN産経ニュース『「危機下なら核先制使用も」 中国軍が内部文書で明記 日米の警戒必至か」
http://sankei.jp.msn.com/world/china/110105/chn1101052113003-n1.htm解放軍報(中国語)
http://www.chinamil.com.cn/