各党の目的
twitterやFacebookに始まり、口コミで多くの人々に見られたウェブ広告、さらには公募まで、主要3党はみな、有権者たちに強力に働きかける新しい方法を手に入れているが、その狙いは大きく異なっているようだ。
保守党の主な目的は、デリケートな浮動票を獲得することである。彼らはソーシャルメディアによって、保守党に投票するということを「標準化」しようとしており、ユーザーたちがお互いに親近感を持ち、キャメロン党首の支持の輪を広げることで、党のマイナスイメージを追い払おうとしている。
労働党は、もともとの支持者たちを盛り上げ、活気づけるために使っている。活動家たちを組織したり、仲間同士の交流を深めたり、野党側を攻撃したりといった形である。
自由民主党が優先しているのは、労働保守の2大政党に劣らず自らの主張、存在をアピールすることである。昔ながらの広報合戦に比べてオンラインキャンペーンは安価であるので、現在さらにオンライン上でその存在をアピールしようと検討中である。
3政党のニューメディア熱には、くすぶり続ける経費スキャンダルでの不信感を払拭しようとする向きがあるのだが、ニューメディアはあくまでメッセージを伝える媒体であって、政策の不出来や政治家のスキャンダルを補うものではないということを忘れてならないだろう。
オンライン合戦の他の武器
まずオンライン広告。オンライン広告を打つことで、どのスローガンが多くの有権者たちの心を掴むかという反応をリアルタイムで測ることができるのだ。
また、謙虚かつ丁寧なメールも重要な武器だ。twitterアカウントに比べればはるかに多くの人がメールを使用するし、オバマ大統領の選挙運動がそこに力をいれたのも、支持者のアドレスを収集するためであった。戸別訪問での経験をメールリストへ応用し、より個別性の高いメッセージを作って、人々に届けるのだ。
もう1つは、検索である。オンラインでの内容というのは、有権者がそれを見るかどうかにかかっている。保守党は検索ランキング上で存在をアピールするために、多くの予算を割いている。
オンライン文化
やり取りが一方的なテレビに比べて、ブログやウェブチャットで積極的に、そして批判的に即時に反応が返ってくるようなオンライン文化では、政治家たちは正直さと討論に参加する意欲が求められる。
バーチャルライフでの政治家たちの目新しさが過ぎるとき、オンライン上での彼らの活動はどのようになってゆくのだろうか。重要なのは、政治家たちがどのようにウェブを操るかということではなく、ウェブが政治家と有権者の関係にどう影響を与えるかであるようだ。
最も投票率の高い世代層―ほとんどは年金受給者であるがー彼らは残念ながらYouTubeで動画を見たりはしない…
ウェブ上で人気 これまでの2大政党支配を問う自由民主党によるサイト Labservative.com(英語)
http://www.labservative.com/gardian.co.uk General election 2010 'Web 2.0: the new election superweapon'
http://www.guardian.co.uk/politics/2010/apr/11/new-media-election-campaign