試験焼却で放射線量上昇
宮城県女川町からがれき処理を引き受けた東京都では、試験焼却を行った品川、大田区の清掃工場で、空間放射線量が上昇したことが判明した。
敷地境界の一部で測定されたが、焼却の事業主体である東京23区清掃一部事務組合は詳細を明らかにしていない。
がれき処理には巨額の利権
がれき処理による汚染を報じた危機管理ジャーナリスト、新井哉氏によると、がれきの処理には巨額の利権が絡むという。
同事業を仕切る財団法人東京都環境整備公社は、災害廃棄物処理の名目で東京都から280億円の貸し付けを受ける。
もともと国の負担のもとに行われるはずだが、がれき処理を迅速化するため、国の補助を待たずに事業者への支払いを行うため、東京都が前払いを行うものだ。
同団体は典型的な東京都からの天下り団体として知られる。森浩志現理事長は東京環境局次長をつとめた人物だ。
都民の反対意見を無視して強引にがれきの受け入れを決めた石原都知事、都庁、廃棄物処理業者は巨額の廃棄物処理利権を目当てに処理を進めている、と見る向きもある。
民主の矛盾 福島を最終処分場に
「痛みを分かち合う」とした細野環境相の言に始まる民主党の汚染がれき拡散政策の本質は、全国の自治体と処理利権を分かち合うこと見られる。
その一方、民主党内には福島を使用済み核燃料などの最終処分場にする思惑もあるという。
原子力発電事業は「トイレのないマンション」といわれる。発電過程で生じる廃棄物を最終的に処理するシステムが存在しないためだ。
もともとは青森県六ヶ所村に再処理工場を建設し、ここで取り出したプルトニウムを「もんじゅ」に代表される高速増殖炉で利用する予定だった。
現在、たび重なるトラブルで「もんじゅ」は廃炉になる気配が濃厚であり、再処理工場も完成していない。
使用済み燃料は直接地中深くに埋め込み、数万年単位の年月をかけて冷やすことになる。
民主党政権ではこの最終処分地の候補として福島を予定しているという。
昨年12月18日、民主党の細野豪志原発相、枝野幸男経済産業相、平野達男復興相の3閣僚が福島県を訪れ、佐藤雄平福島県知事に帰宅困難地域の設定などを伝えた。
現在避難している人たちが帰宅できないことを公式に認めたもので、最終処分場建設への布石とされる。
同地域を国が買い上げ、処分場とすることは国にとっても避難住民にとってもメリットが大きい。
現実に「トイレ」が必要なのは明白である。がれきも含め、迅速にトイレに運び込むことがこれ以上原発事故の被害を拡散しないもっとも常識的な政策である。
◆新井哉の危機管理・国民保護ブログ
http://ameblo.jp/kikikanri-h-arai/entry-11121128807.html◆東京23区清掃一部事務組合
http://www.union.tokyo23-seisou.lg.jp/index.htm