お母さん、おばあちゃん、おめでとう!
ニュージャージー州ローズランドに住むSally Mehlさんの75歳の誕生日は盛大なものだった。5人の子供たち、6人の孫たち全員が、彼らが幼いころを過ごした小さな家に集結した。
パーティーの食べ物、ケーキを用意したり、Sallyさんを美容院に連れていくなど準備段階でのチームワークも素晴らしく、犬のサラもがパーティーの仕度をしてもらっていた。
この誕生パーティーを企画してゆく過程で、娘のAnnさんは準備期間や当日だけをビデオで記録として残すのでなく、母親の日々の生活を記録しておこうと思いついたのだ。
受け入れ難い認知症の診断
家族がSallyさんの変化に気づいたのは数年前のこと。日付や細かいことを忘れてしまうことが多くなった。必要なことをメモに書き残したり、それを目に付くところに貼っておくという対策も効き目がなくなってしまった。そして医師から認知症の診断を下される。
家族が協力することで身の回り世話はできているが、それでも「親」という存在を失い始めている事実を受け入れることは容易でない。
Annさんはこのように語る。
「母が、“わたしにもとうとうこの時が来た”と実感するのをそばで見ているのは、得がたいと同時に悲しい体験です。(中略)母が一度、“神様がわたしのコンセント抜いちゃったみたいね”って言ったことがあります。」
広がれ!パワーと元気
Sallyさんはまだ電話での娘の声を聞き分けることができるし、たまに名前を間違えることはあるが、孫の顔もわかっている。以前のSallyさんを知らない人ならば彼女が認知症であることに気がつかないかもしれない。Annさんは言う。
「母は精一杯がんばっています。そのパワーと元気をビデオにとりたいんです。」
大切な家族の思い出
わが子の成長を記録するのにビデオカメラを構えることは、どこの家庭でも当然のことである。それに比べると確かに、老いた両親の姿を記録しようという家族は圧倒的に少ないだろう。
わが子の6歳、10歳、14歳のときそれぞれの輝きを記録するのと同様に、両親が75歳,85歳,93歳で放つ輝きを残しておくことも、現代の技術を用いれば誰にでも簡単なのではないだろうか。
Annさんはこのビデオをオンラインに載せることで、家族を介護する人々と自分の介護者としての経験を分かち合いたかったそうだ。そして、お母さんに自分の言葉で自分の生活を語ってほしかったのだと話す。

実際のSallyさんの誕生会動画を見ることができます
The New York Times The New Old Age Blogs 'Remembering the Last Act'(英語)
http://newoldage.blogs.nytimes.com/2010/04/27/remembering-the-last-act/