発見された骨は「ユニークな存在」
「今回の発掘で見つかった骨は、我々現代人と、今までにない関係を持っています。」
と、話すのはウィリアム・キンベル氏。彼もアリゾナ州立大学で人類の起源を研究する古人類学者です。
「彼らの存在はとても重要なんです。」
現代人の祖先候補
今回新たに見つかったヒト科の動物は、ヒト生物学でもモザイク進化の典型です。彼らは簡単に直立姿勢のまま歩くことができますが、生活拠点は木の上のままだったことが周辺の証拠から判明しています。
132cmと、当時としては大型でしたが、やはりしゃがんだ姿勢が基本でした。
見本に公開された頭がい骨はほとんど人間と変わらず、きゃしゃな歯と突き出た鼻を持っています。しかし脳は小さく、原始的な細い足で大また歩きをしていいました。
オランウータンと同じくらいの長さの細い腕を持っていましたが、手は現代人のものに似ています。今のところ、この種が道具を使っていたかどうかの証拠は見つかっていないようです。
「彼らは、我々の祖先の有力候補となりました。」
と、バーナー博士は話します。
採取できた証拠によれば、現代人も属するこの種のグループ(ホモ属)は、セディバより以前から、アフリカ全土と部分的な東アジアに広く分布していたようです。
発掘された骨の持ち主は、同時に生息していたと見られる進化種の祖先にしては新しすぎると、研究している科学者は話していますが、それでもまだ地中にはもっと古い骨が残っているかもしれないと推測しています。
科学の複数の分野にまたがって、今回新たに発掘された骨の種は、人類の起源を研究している調査員によって分類されるそうです。調査員たちはこの骨の重要性を高く評価していますが、その意味についてはまだ疑問を残しています。
疑問の声もある
「進化は、驚くほど混とんとしています。」
と、古人類学者、リチャード・ポッツさんも話します。スミソニアンで人類の起源を研究している人物です。
アリゾナ州の人類学者ドナルド・ジョナサンは、ルーシーと名付けられた、320万年前のアウストラロピテクス・アファレンシスの骨を発見した人物です。
発見当時、アウストラロピテクス・アファレンシスは、人類の祖先というより、共通の祖先から枝分かれした新種と考えられ、人類進化を象徴する種とされていました。
「今回マラパで新たに見つかった骨が、ホモ属の新種と認められても、私は驚かないでしょう。」
と、ジョナサン博士は話します。
バークリーのカリフォルニア大学に所属する古人類学者ティム・ホワイト氏も、研究チームと一緒に「アーディ」と名付けられた人類最古の骨を見つけました。
この化石は、我々の祖先と見られています。ただ、ほかの新たに発見された種が、より進化したヒト科の種と一緒に存在していたところを見ると、この種に関しては、ほかの種とのつながりが怪しい点も残されています。
「今回の発見で、我々の起源まではわからないでしょう。初期ヒト属の種まではわからないのです。」
と、ホワイト博士は話します。
ジョージワシントン大学の人類学者バーナード・ウッド博士は、ヒトと共通の特徴を持つ種は、間違ったヒントとなり得ると話します。
「この手の顔は、少なくとも1度以上進化の過程で現れているものです。」
と、彼は話します。
「私の考えでは、今回見つかった化石は、人類進化の家系図が、たくさんの、しかも絶滅した枝分かれを持っているという証拠になります。」
また、全体を見ても、結論を出すほどの種の化石はまだ見つかっていないと、ウッド博士は話します。
「ニューヨークの地下鉄から2人の人間を捕まえて、北アメリカの人間を再現しようとするようなものです。」

New Face in Human Family Tree
http://online.wsj.com/article/SB10001424052702304830104575171692309050062.html?mod=WSJ_World_MIDDLENews