OMIC設置でがん治療の研究拠点に
岡山県や岡山大など県内の産学官連携グループが、がん治療薬の研究開発に取り組む「おかやまメディカルイノベーションセンター(OMIC(オーミック))」を設置する計画が国の補助事業に採択された。
同大発見のがん抑制遺伝子「REIC(レイク)」を活用した治療薬開発を加速させるなど、がん治療の研究拠点として、2011年春までに本格稼働させる。
REICを活用した治療薬の早期開発へ
国の「地域産学官共同研究拠点整備事業」に採択されたもので、同大鹿田キャンパス(岡山市北区鹿田町)の既存施設の一部約1400平方メートルをOMICに転用する。国から委託された
科学技術振興機構(JST)が機器整備や施設改修を行う。
事業費は約12億円で、本年度内に着工するという。
OMICでは、がん細胞や体内に注射した薬剤の動きなどを生体を傷つけることなく3次元画像で映し出す「分子イメージング」や薬剤を患部まで効率的に運ぶ「ドラッグデリバリーシステム」など、同大が持つ医療技術の融合と高度化を進め、REICを活用した治療薬の早期開発を図る。
運営について
管理運営は産学官連携組織「メディカルテクノおかやま」が行い、研究者や企業からの各種分析も請け負って、機器使用料などで運営費を賄うという。
県や岡山大は「世界から注目されるがん研究の拠点を目指し、医療系の地場企業育成や企業誘致につなげたい」としている。