カキ殻脱臭剤を石巻工高生が開発
養殖カキ生産で有名な宮城県だが、大量に発生するカキ殻が産業廃棄物となるため苦慮していたところ、カキ殻の有効活用に取り組む石巻工業高の生徒が、カキ殻を粒子状にした「カキ殻脱臭剤」を開発したという。
15日に発表会があり、県や市、企業関係者らに研究成果を報告したもので、実用化に向け一歩踏み出した。
開発は産学連携によるもの。すでに成果も…
開発したのは、化学技術科3年生の6人。課題研究授業の一環として
吉田レミコン仙台工場と産学連携で共同研究を進めてきたという。
これまで同校は産学官連携事業で、カキ殻ともみ殻を利用した「水質浄化剤」や、カキ殻を酢酸と反応させた「カキ殻凍結防止剤」などを開発してきており、すでに一部は実用化されている。
カキ殻脱臭剤は、カキ殻が多孔質で表面積が大きい特性に着目。粉砕した殻に吸着物質やセメントを混ぜ、特殊液体で10~2.5mmの粒子状に固めたもの。
脱臭効果は?
生徒らは市販の活性炭との脱臭効果などについて比較実験を実施、脱臭効果や個体強度などが活性炭より優れていることを突き止めた。
活性炭と比べて脱臭期間がどの程度持続するか課題だが、活性炭よりも費用を抑えられるという。
実用化されれば産業廃棄物の減量につながるだけに関係者の期待も大きいようだ。