甲状腺検査の概要
福島県は2011年10月9日より18歳以下の子供に対して甲状腺検査をはじめた。この検査に先立ち、10月8日は福島県立医大病院で、検査のリハーサルが報道陣に公開された。
このリハーサルによれは、甲状腺検査は超音波を使って行われ、検査にかかる時間は1人およそ5分となる見込みである。この検査は超音波の画像を用いて甲状腺の大きさやしこりなどを調べるものだ。
対象となる子供の数はおよそ36万人にのぼるため、一気に検査できない。そのため、まずは11月中旬までは飯舘村、浪江町、川俣町山木屋地区の4908人を優先して実施する。そしてその後に全県の子供を対象として検査を行う。
この検査の結果はおよそ1ヶ月後に郵送で通知され、病変など必要がある場合には、後日、血液検査などの詳しい検査を行うこととなっている。
この検査は、2014年3月までに県内を一巡して行われ、その後は子供が20歳になるまでは2年ごと、20歳を超えると5年ごとに行われる。対象となる子供は生涯にわたってこの検査を受け続けなければならないというから大変だ。
検査を行う背景と問題点
1986年にチェルノブイリで原発事故が発生した後、多くの子供たちが甲状腺がんにかかった。今回福島で原発事故が起きたことを機に、多くの子供たちの親が、子供の健康の心配をしていることを受け、この検査が行われることとなった。
しかし、世界的にも例がないと言われている長期間の検査であるため、さまざまな問題点が出てくるものと思われる。たとえば万一何か病気が出てきた際に原発事故との関連性をどう立証するのか、その際の補償をどうするのか、将来的に福島県に居住しなくなる人もたくさん出てくると思われるが、その場合に検査をどう継続していくかなどである。
現在予測されている問題点もあれば、予測できない問題点もあると思うが、できる限り被害者に負担をかけない方策を考えていただきたいと願う。
福島県
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