オンラインコメントのサブ機能?
オンラインニュースやブログなどのコメント欄では、通常アカウント名で本名を明かさず投稿することができる。その匿名性を利用して(つけ込んで)、政治的運動またはある特定の利害団体などにより、投稿や批判が創作される場となっている。
的を絞ったオンラインコメントは、広く大衆へ向けてだけではなく、その問題を報道する記者たちや政治支援や資金調達に影響力を持つ人物に対して、また内部者同士では暗号のように使われたりと、コミュニケーション戦略の鍵となってきつつあるのだが…
え?お仕事コメント!?
雇う側の団体の主張により武装されたボランティアやスタッフが、"Google monkeys"(あるキーワードをアラートにかけ、ひっかかったサイトをチェック、ネタを探す人) や "sock puppets"(アカウント毎に別人物となりコメントする人)となって、身元を明かさぬまま、その記事内容について反論したり、賛同したり、場を盛り上げる役割を果たすという。数日間の仕事に数百ドルで雇われる人もいるというから驚きだ。
その戦略は、Twitterなどのソーシャルメディアへも及んでいる。そこでは、利用者たちがある話題へ大量に「つぶやく」ことがよしとされているからだ。
今年初め、コンピュータ・セキュリティ関連の業界団体Cyber Security Industry Allianceは、コロラド州におけるソフトウェアに対する税制上の優遇措置廃止を訴えるフレーズを用意し、支持者たちに「つぶやく」よう要請した。
倫理的危険信号
しかしこのやり方は、コメントする側やつぶやく人たちが彼らの素性やその問題に対する自らの立場を表明しない場合、倫理的に危険信号がともる。
そのことはネット治安を脅かすものとして、当局の目にも留まることとなった。連邦取引委員会(FTC)は10月の是認規定修正の際に、ブロガーたちが言及するサービスや商品の販売元と何らかの”物質的つながり”がある場合はそれを開示することを要求した。
ブログ界は、アメリカにおいて確実に選挙運動を成立させる一つの要因となりつつある。保証されるべき言論の自由が存在するとはいえ、投稿の匿名性はコミュニケーションゲームの一環として捉えられるのか、それともネット上の民主主義を脅かす存在として捉えられるのか。
総務省 情報通信政策研究所 「インターネットと匿名性」
http://www.soumu.go.jp/iicp/chousakenkyu/data/research/survey/telecom/2008/2008-1-01.pdfThe Denver Post 'Comments online often manugactured by special-interest groups'
http://www.denverpost.com/business/ci_14769113