選択の余地のない選挙
アラビア半島のイエメンで21日、サレハ大統領退陣後、暫定大統領を選出する初めての民主的選挙が行われた。サレハ氏は、約33年間にわたり権力を握り、「アラブの春」により退陣を余儀なくされた。
ただ、実際には信任投票みたいなものであった。というのも、ハディ副大統領が唯一の候補者だったからである。それでも何百万人もの有権者が、暫定大統領を選出するために投票所にやって来た。独シュテルン誌が21日、報じた。
ハディ氏の暫定大統領としての任期は2年である。その後、新たに選挙が行われる。
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Radio Nederland Wereldomroep暴動による死者と負傷者
その一方で、中央政府に反発する南部の分離独立派や、北部のイスラム教シーア派の一派ザイド派勢力は選挙をボイコット。現地メディアの情報によると、南部ハドラマウト、アデン、ダーレなどでは分離独立派と治安部隊の衝突が起き、少なくとも4人が死亡し、40人が負傷した。特に、港町アデンでは、暴力のため多数の投票所が閉鎖された。
ドイツのギド・ヴェスターヴェレ外相は、選挙が政治危機を解決する第一歩になることを期待していた。ドイツはイエメンの新たなスタートを援助するつもりである。
ノーベル平和賞受賞者も投票
首都サヌアやマーリブ、タイズでは、反対に平和的に投票所に長蛇の列ができた。サヌアでは、午後になって、いくつかの地区で追加の投票用紙と投票箱が持ち込まれた。
昨年のノーベル平和賞を受賞した民主化デモ指導者の一人、タワックル・カルマン氏も投票した。
シュテルン誌(Stern Online)
http://www.stern.de/politik/ausland/erste-demokratische-wahlen-im-jemen-mehrere-tote-und-verletzte-bei-unruhen-1790196.html