セルビアとの統合を期待して
14日、セルビア系住民の多いコソボ北部において
「コソボ共和国を承認するか?」という内容の住民投票が始まった。投票は7時に始まり、18時に閉められる。投票は15日にも継続。独シュテルン誌が14日、報じた。
約35,000人の有権者が投票に臨み、北コソボのセルビア共和国への統合の正当性を主張するつもりだろう。ほぼ100%の有権者による「いいえ」が期待されている。
米国と欧州連合(EU)は、北部コソボのセルビア系住民が、コソボから独立をすることに反対の立場を取っている。
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thivierrセルビア共和国の思惑
コソボがセルビアから独立して今年の2月17日で4周年である。この記念日に合わせて、住民投票が実施されている。だが、セルビアは、今日までかつての自治州の独立を容認していない。それゆえに、この住民投票を違憲として拒否している。
新チューリッヒ新聞の情報によると、セルビアは、3月に欧州連合(EU)の正式な加入候補としての資格を得られるかもしれない。その前に、マイナスの影響を与えることを懸念している。北コソボのセルビア人は、そのセルビア政府の姿勢を非難している。
この非難は、北コソボにおけるセルビアからの電源供給の減少と地方政府のリストラを引き起こした。北コソボのセルビア系住民は、ジレンマに陥っている。セルビア政府との距離を置くべきか、それには、北コソボは経済的に強くセルビアに依存している。
コソボの事情
コソボは人口220万人(2008年)の国で、アルバニア人(92%)、セルビア人(5%)、トルコ人等諸民族(3%)から構成されている。2008年2月17日、コソボ議会が「コソボ共和国」の独立を宣言。
コソボ北部のセルビア系住民は、セルビアから行政サービスを受けており、コソボへの統合に反対している。2011年3月からコソボは欧州連合(EU)仲介のもと、セルビアとの対話を実施している。
シュテルン誌(Stern Online)
http://www.stern.de/politik/ausland/volksabstimmung-angelaufen-kosovo-serben-wollen-weg-von-den-albanern-1786353.html新チューリッヒ新聞(NZZ Online)
http://www.nzz.ch/nachrichten/politik/international/machtprobe_in_nordkosovo_1.15036802.html外務省のコソボ共和国のサイト
http://www.mofa.go.jp/mofaj/area/kosovo/data.html