ザールランド州の州議会選挙を控えて
ドイツ自由民主党(FDP)は、ザールラント州の政権から離脱する危機に面している。1日に行われたシュテルン(Stern)誌とテレビ局RTLによるフォルザ世論調査の選挙トレンドの結果、FDPは、たったの3%しか支持を得られなかった。
テレビ局ZDFの政治バロメーターによる人気ランキングでは、FDPのトップ政治家ヴェスターヴェレ外相とレスラー党首は9位と10位にランクインしただけだった。
これは、FDPにとって死活問題である。このような苦境のときに、特別な選挙戦(ザールランド州議会選挙)に臨まなければいけないのである。ザールランド州の首相アンネグレート・クランプ=カレンバウアー(キリスト教民主同盟;CDU)がFDPとの連立政権の解除通告をしたときから、ザールランド自由民主党の運命は、もう決まったように見える。
「自由」を掲げてFacebook上でキャンペーンを展開
3月25日までの選挙に、FDPが今の状態をひっくり返せると信じている者はいない。ところが、Facebook上に突然目を引くキャンペーンが出現。それは、「FDP Liberte(フランス語で自由の意)」である。
ネットにアップされた写真は、本物の選挙プラカードと区別がつかないくらいよくできている。このキャンペーンの主導者は、ザールランドのFDPではなく、検索エンジン“Bing(ビング)”のコミュニケーションアドバイザーとFDP党員のハッソ・マンスフェルトである。
「自由」のプラカードが、Facebook上にアップされてから、かなりポジティブな反応が見られている。社会民主党さえも、称賛を贈った。FDP団体は、
「このプラカードは、新しい党内文化の始まりを示している。いつも“成長”“豊かさ”“経済”のことばかりでなく、“自由”について語ることである。」
ユーザーの反応
ユーザーの反応にも変化がみられる。ヴェルト誌オンライン版は、
「FDP―私たちはあなたたちの自由のために尊厳をもって死ねる。」
「僕はFDPのファンではないけれど、このキャンペーンはかっこいい。」
「本来の基本に戻ることはいいことだ。」
などの声があったことを伝えている。人々はこの“自由”を押し出したリベラルな考え方を気にいっているようだ。
ヴェルト誌(Welt Online)
http://www.welt.de/politik/deutschland/article13845214/Kann-diese-Internet-Kampagne-die-FDP-retten.htmlFDP LiberteのFacebook サイト
https://www.facebook.com/FDP.Liberte