ドイツで報道された監視船の乗っ取り
独シュピーゲル誌でも、“動物愛護者が日本の捕鯨船を乗っ取る”という記事が報道された。ドイツでの報道によれば、「フォレスト・レスキュー」と名乗る豪州の活動家が、8日夜、友好のある動物愛護団体の助けを借りて、2隻のボートで捕鯨船団に同行していた水産庁の監視船“第2昭南丸”に乗り込んできた。
監視船はオーストラリア沖40キロ付近を航行していた。彼らは、甲板の手すりを乗り越え、鉄条網をすり抜け、監視船に乗り込み、米国ワシントン州に本部を置く環境保護団体「シー・シェパード(SS)」と名乗った。
ニュージーランドにある日本鯨類研究所のスポークスマンは、27歳から47歳までの3人の活動家が、監視船に無断で乗り込んできたことを確認。今までのところ、環境保護団体とのコンタクトはない。シー・シェパードの創設者ポール・ワトソンは、
「第2昭南丸は、われわれとは話さない。彼らは、われわれの無線通信に応答しない。」
とコメント。
研究目的の捕鯨
1986年に国際捕鯨委員会(IWC)は商業捕鯨モラトリアムを施行。これにより、商業捕鯨は禁止された。しかし、日本は、研究目的のために、年間数百頭の海洋哺乳類を捕獲し、殺戮(さつりく)している。この国では、クジラ肉を食している。――何世紀も続いている、失ってはいけない伝統と称して。
Fhoto:
「(財)日本鯨類研究所 提供」シュピーゲル・オンラインのフォーラム
「3人の活動家は、日本の監視船に乗り込んだけれど、オーストラリアに送還されることを望んでいて、まさか、日本に連行されるとは思っていなかった。私は、捕鯨には反対の立場だが、船に無断で乗り込んでおいて、好きなところに連れて行ってもらおうと考えた、活動家は情けなく思う。」
「“フォレスト・レスキュー”と名乗るのに、太平洋に浮かぶ船に乗り込むとは……。道に迷って、海に出てしまったのだろうか?」
「2週間、日本製品をボイッコットしよう。日本が軌道修正するまで、延長しよう。」
フォーラム上では、さまざまな意見が交わされていた。大多数は、捕鯨には反対ではあるが、暴力的な活動は望んでいない人がほとんどだった。
シュピーゲル誌(Spiegel Online)
http://www.spiegel.de/panorama/gesellschaft/0,1518,807877,00.html