政治的ボイコット
現在、ウクライナとポーランドで欧州におけるサッカーの祭典「UEFA EURO 2012(UEFA欧州選手権2012)」が開催されている。ドイツは、順調に準決勝まで勝ち進み、28日、イタリアと対戦。
もしドイツがイタリアに勝ち、決勝に進めば、メルケル独首相は決勝戦を観戦するためにキエフにおもむく意向を示した。もちろん、スポーツとしては当然のことだが、政治的には面倒なことなのである。ヴェルト誌オンライン版が26日、報じた。
UEFA EURO 2012の開幕前から、ドイツでは政治的ボイコットが議論されてきた。それは、ウクライナにおける人権問題について国際的にも圧倒的に非難されており、特にティモシェンコ前首相を取り巻く状況について非難が集まった。
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DrabikPanyヤヌコヴィッチ大統領とEURO 2012の決勝戦観戦を?!
観戦席にメルケル首相のいないドイツの決勝戦はありえない。しかし、ウクライナのヤヌコヴィッチ大統領と並んで座ることも想像できない。ティモシェンコ前首相の状況は改善されていない。
そこで問題になるのが、どのような条件下でキエフに観戦に行くことができるのかである。連邦議会の人権委員会議長のトム・ケーニクス氏は、3つの可能性を検討。
1つ目は、UEFA会長のミシェル・プラティニ氏を挟んで、メルケル首相とヤヌコヴィッチ大統領が座る。2つ目は、ファンゾーンの近くに建てられたティモシェンコ氏の支持者の拠点を訪れる。3つ目は、ティモシェンコ氏を一緒に連れていく。それが可能ならば、一番の解決策である。
欧州委員会やドイツ政府の官僚は、正式にウクライナでの試合をボイコットしている。もちろん、ドイツが決勝戦に行かなければ、面倒な問題は起こらないのだが……。全チームの検討を祈る。
ヴェルト誌(Welt Online)
http://www.welt.de/politik/deutschland/article107267972.html