フォークランド紛争から30年、今も続く領有権争い
英国とアルゼンチンが南米の最南端、フォークランド諸島を巡って争った戦争、フォークランド紛争から30年たった今、また新たな問題が持ち上がった。英国とアルゼンチンは、14日、ニューヨークの国連本部に赴き、互いに領有権を主張し合ったのである。シュピーゲル誌オンライン版が15日、報じた。
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.v1ctor.英国とアルゼンチンの主張
アルゼンチンからはクリスティーナ・フェルナンデス・デ・キルチネル大統領が直々に、国連の脱植民地化委員会に訴えるために赴いた。アルゼンチンの主張はこうである。
「英国から1万4000マイルも離れたところにある島を英国領と言えるのか。フォークランド諸島は南大西洋の一部でアルゼンチンのものである。」
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.v1ctor.一方で、フォークランド諸島のマイク・サマーズ議員は、島の住民を追い出そうとしている、とアルゼンチンを非難。サマーズ議員は
「私たちがラテンアメリカ人ではないというだけで、同等の権利を持たない2級の人間ですか?人数が少ないというだけで、重要ではない存在ですか?」
と、問い正した。サマーズ議員が話している間、キルチネル大統領は、感情を示さなかった。
デービッド・キャメロン英国首相は、
「島の主権については、全く交渉の余地がない」
と14日夜、毎年恒例のフォークランド諸島政府のレセプションで語った。
2013年に住民投票を実施
フォークランド諸島議会は12日、英領の一部としてとどまるか否かを問う住民投票を2013年前半に実施すると発表した。約3000人いる住民の9割は英国籍を持ち、ほぼすべての有権者が現状肯定を選ぶとみられる。
80年代に実施した調査では、90%以上が英国主権を望んだ。住民は投票を通じて帰属問題を決着させたい考えだ。
国連は、両国に平和的に紛争を解決することを要請した。
シュピーゲル誌(Spiegel Online)
http://www.spiegel.de/politik/ausland/