欧米諸国のシリア大使国外退去処分に対する報復か
シリア外務省は5日、ダマスカスに駐在する欧米諸国の外交官を国外退去処分にする声明を出した。その理由は、いずれも「好ましくない人物」ということらしい。
実際には、先月25日のシリア政府軍の攻撃で多数の市民が殺害されたことを機に、欧米諸国がシリア大使を国外退去処分にしたことに対する報復とみられる。
国外退去処分となったのは、米国とフランス、英国などの大使で、また、ドイツとカナダなどの外交官である。シュピーゲル誌オンライン版が5日、報じた。
シリアにおける暴力と危険な状況のため、ここ数か月の間にすでに、西側諸国の外交官たちはこの地から退去していた。ダマスカスのドイツ大使のポストは2月からに空いたままである。
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FreedomHouse2反体制派が攻撃の再開を宣言
シリアの紛争は、衰えることなく継続している。シリアの活動家は、5日、イドリブとダラア、ダマスカスの郊外での紛争を報告。その前日には、アサド政権の軍隊により40人が殺害されたようだ。
シリア反体制派の代表者は、4日、停戦破棄を表明。
「われわれは、コフィ・アナン国連特使の和平案に拘束される理由がなくなった。」
と、攻撃を再開することを宣言した。政権側が停戦に応じないことが理由だとしている。
ドイツのギド・ヴェスターヴェレ外相は、それでも政治的解決策を模索し続けている。ヴェスターヴェレ外相は、ドーハにて
「国際社会は、アナン特使の和平案をもっと重視し、手を尽くすべきだ。」
と、語った。
推計では、4月中旬の正式な停戦以来、シリアでは2100人以上が虐殺されている。
シュピーゲル誌(Spiegel Online)
http://www.spiegel.de/politik/ausland/syrien