ゲーツ国防長官の訪中にあわせ飛行試験か
米国防総省高官によると、中国を訪問中のロバート・ゲーツ国防長官が11日に、胡錦濤国家主席と会談した際、中国軍が開発中のステルス戦闘機「殲20」の飛行試験を、同じ日の午後に実施したことを認めた。
一方、米国防総省高官は、胡主席らに、飛行試験実施が知らされていなかった可能性があるとの見解を示した。「殲20」は米軍のF-22戦闘機と同様、レーダーに探知されにくいステルス戦闘機で、今回の飛行試験について、米国防総省高官は、ゲーツ国防長官の訪中に合わせ、中国軍部が独断で行った可能性を指摘した。
(中国のインターネットサイト上に出まわっている「殲20」の初飛行を撮影したとされる画像)
胡主席をはじめ、文民高官に知らされていなかった可能性も
「殲20」は四川省成都で試験飛行を実施。共産党機関紙・人民日報系の環球時報などによると
午後0時50分(日本時間同1時50分)ごろから始まり、1時11分に着陸、全行程に新型の国産戦闘機「殲10」が同行した
と報道している。
米国防総省高官によると、「殲20」の飛行試験について、ゲーツ国防長官が胡首席に言及したところ
(当初は)胡主席を含め、文民高官は明らかに誰も知らされていなかった
様子だったという。胡首席は、後に「飛行試験は長官の訪問にあわせたものではない」と説明した。
ゲーツ国防長官は、11日に北京で開いた記者会見で、中国指導部と軍部、双方の意思伝達の重要性を指摘し、中国の文民統制に懸念を示した。
時事ドットコム「中国軍、ステルス機試験独断か=胡主席知らず、文民統制懸念-米」
http://www.jiji.com/(トップページへのリンク)
MSN産経ニュース『胡主席、次世代ステルス機「殲20」試験飛行を知らされず 「中国指導層の恥」と米メディア』
http://sankei.jp.msn.com/world/china/110112/chn1101121008001-n1.htm
米国防総省「Travels With Gates - January 2011」(英語)
http://www.defense.gov/home/features/2011/0111_gates1/