沖縄占領は日本に責任
外務省が22日に公開した外交文書で、沖縄復帰前の昭和42年に、マクナマラ米国防長官が松岡政保政府主席に対し、「沖縄占領の根本的な原因は、日本の真珠湾攻撃にある」と発言していた事が明らかになった。
文書は昭和42年11月2日付けで、当時、三木武夫外相が松岡氏と東京で会談した際、三木氏が松岡氏に
マクナマラ長官が相当きついことを言ったそうだが
と、持ちかけたのに対し、松岡氏が答えた内容に基づいている。
マクナマラ国防長官は、日本が米軍の防衛下で経済発展している状況を指摘。韓国のベトナム戦争派兵に比べ、日本の防衛上の協力不足を非難し、沖縄から米軍の撤退はできないと述べた。さらに、「沖縄返還をめぐる混乱のそもそもの原因は、日本の真珠湾攻撃にある」と述べた。
米「核抜き」の返還証明も拒否していた
マクナマラ国防長官の発言は、日本と沖縄が、安全保障上の問題より「核抜き」・「本土並み」の復帰にこだわり続けたことに対して、いらだちを表したものと見られている。
また、沖縄本土復帰にかかわる外交交渉の中で、当時の外相・福田赳夫氏が野党対策として、米・ジョンソン大統領に米国務次官に
返還時には核は沖縄に存在しない旨を大統領の宣言か首相への書簡によって明らかにしたい
と求め、米国側がこれを拒否していたことも明らかになった。
一方、11月に公開された外交文書では、マクナマラ氏が松岡氏に「日本や沖縄が考えいているほど、沖縄基地は重要ではない」と、戦略上沖縄を低く見なしていたとも受け取れる発言もみられ、当時の米国側の揺れる心情が見て取れる。
MSN産経ニュース『【外交文書公開】「沖縄占領は真珠湾攻撃が原因」と米国防長官 米、核抜き返還証明も拒否』
http://sankei.jp.msn.com/politics/policy/101222/plc1012221001006-n1.htm外務省「沖縄返還交渉,日米安全保障条約改定交渉関係目録」
http://www.mofa.go.jp/mofaj/annai/honsho/shiryo/shozo/okinawa_anpo.html