個性豊かな曲目
もし、大きな太陽と砂丘を背景にサハラ砂漠を横断しているバンドメンバーの映像を作るとしたら、「We Don't Live Here Anymore」はぴったりなサウンドトラックとなります。修羅場と化す、忘れ去られた町について歌っている歌で、ヤコブの歌声はしばしやみ、間奏が入ります。
「Everybody's Hurting」では、再びディランと女声のハーモニーに戻ります。この曲では、巧みなプーンギ(インドの蛇遣いが使う笛で、バグパイプとアフリカの笛、カズーを合わせたような音)にヴァイオリンの演奏が加わります。ディランは子供時代の将来と夢について、
"How sweet salvation sounds"
と、物語を書きつづります。
「Holy Rollers for Love」の冒頭の歌詞部分では、恐ろしいほど父親に似た彼の声を聴くことができます。彼は戦争中における平和の象徴に触れ、
"Battle songs fill their lungs"
と歌っています。
受け継がれる音楽の才能
注意深く聴かなければ、1曲目を11回繰り返し聴いた時と同じ印象で、アルバム全体を聞き流してしまうかもしれません。
しかし、ディランの非の打ち所がないほど強力な歌詞を見れば、若しくは、それぞれの曲を個別に考えれば、ただの反響音から宝石を見い出すことも可能です。
ひとつ確かなことは、ディランの血筋に、独創的な音楽の才能が流れていると言うこと。
彼は、ニューアルバムの11曲の歌詞を書き上げただけでなく、作曲やアレンジにも参加しました。中東の民謡のような仕上がりは、あなたが今までにない奇抜な音楽や歌詞を求めているなら、この上ない存在となるでしょう。
「Women and Country」クリックでAmazon.comの商品ページへ(試聴可能)原文: Nick Guesto (翻訳: Miyuki.T)
原文: Talent grows in the family tree(The Tartan)
http://thetartan.org/2010/4/12/pillbox/jacobJakob Dylan Music(公式サイト / 英語)
http://www.jakobdylan.com/music/women-country