昔は学位だけ十分だったけれど…
大学の学位を取得することは、昔からお祝い事とされてきました。多くの人間にとって、学位取得はキャリアを約束された社会人としてのスタート地点でした。社会人生活は卒業から数週間、そうでなければ数か月のうちに始まります。
しかし、今日の雇用市場では、学位だけを抱えた学生には何の価値もありません。2000年、アメリカだけでも120万人が大学の学位を取得しました。米教育統計センターの統計によれば、今年はその人数も、30%増加した150万人にふくらむ見込みです。
「大卒」は今や当たり前の時代に
大卒者数は、国内でもどんどん増加しており、全人口に対する大卒者の割合も、10年前の人口調査と比べて、3倍ほどに増えています。
「例えば、私が雇用主や、医学部、あるいはビジネススクールと同じ立場にあるとしましょう。学生の数が増加するほど、優秀な学生を探すことも難しくなくなります。」
と、話すのは、ダン・ゴメス-パラシオ氏。彼はミズーリ州のウエストミンスターカレッジで就職支援センター長のアシスタントを務めています。
「と、なれば、ほかの学生に差をつけるには何をすれば良いのでしょうか?」
実戦経験こそ、最大の武器
その答えはインターンシップです。大学や雇用者は一様にインターンシップの実施を続けています。
インターンシップの数は、今やひとつだけに止まらず、複数にも及び、ほかの学生に負けまいと、多くの学生が取り組んでいます。
今日、卒業前にインターンシップに取り組むことは、厳しい雇用市場に踏み込み、自分の価値を上げ、就職を成功させる重要な要素となっています。
今までに類を見ないほど、アメリカ中で、分野を問わず、学生はインターンシップへと駆り出されています。企業の中には、採用条件にインターンシップの経験を問うところもあります。
「インターンシップで、いずれにせよ、学生は洗練されます。インターンシップに取り組まなければ、不可能なほどです。」
と、ヴァージニアのロングウッド大学のパトリシア・コーミア学長は話します。
「高等教育がインターンシップとすぐ結びつかなかったことに、私は驚きを隠せません。私にしてみれば、至極簡単なことです。もし学生を良く導きたいと思うのであれば、卒業の前にインターンシップのような環境に置いてあげることも必要です。」
中編へ続く…
原文: Degrees Are Great, but Internships Make a Difference(U.S.News)
http://www.usnews.com/education/best-graduate-schools/articles/2010/04/15/when-a-degree-isnt-enough.html