急増する無給インターンシップと始まる調査
若者の間で特に問題となっている就職難の問題は、無給インターンシップの増加に大きく荷担しています。イギリスだけでなく、アメリカでも、州や連邦の違法労働を取り締まる任務を負う人々が、このようなインターンシップを悪用して、違法な無料労働を強いる企業が増えているのではないかと懸念しています。
オレゴン州やカリフォルニア州など、複数の州が、無給インターンシップの多くが、労働法の最低賃金の項目に違反していることを認めています。このことにかんする調査が実施され、具体的に違反している雇用者がどれだけいるのか把握する試みも始まっています。
昨年、当時ニューヨークで労働問題の検査官を務めていたM・パトリシア・スミスさんは、インターンシップをしている企業、複数社に対する調査を命じられました。現在、彼女は連邦労働局で、法的処置の最高権限を持っています。最低賃金や時給は、アメリカ全土にわたって、どんどん値上がりしています。
調査の障害となるのはインターンも同じ
検査官の多くは、この手の違反はどこにでもあると話します。しかし、殊インターンシップにかんしては、なかなか扱いが難しくなるようです。
インターンたちが、記録を残すことで、クレーマー扱いされることを嫌がるからです。就職のチャンスが消えてしまうため、希望する業界で、自分が問題児として知られることを怖がるインターンはたくさんいます。
労働局は、インターンシップに関連する法を、企業や学校、学生に強制し、インターンに適正な賃金を支払うようにすれば、企業が崩壊の危機に面する可能性もあると話します。
「雇用側が営利会社であったり、あるいは、営利会社でインターンシップをしようとしたりすると、無給で、かつ、法律を遵守したインターンシップの環境に恵まることは多くないでしょう。」
と、ナンシー・J・レピンクさんは話します。労働局で、最低賃金や時給に関する対策を統括している人物です。
レピンクさんは、無給インターンシップを行うに当たって遵守しなければいけない6つの連邦の基準に反していても、企業のほとんどはすでに破たんの危機に面していると言います。
企業が主に違反しているインターンシップの条件は、インターンシップが職業訓練学校や教育機関で実施しているものと同等の訓練を受けられるという項目です。
また、インターンがいることで、社内の雇用機会が減ったり、継続的な仕事が減ったりしてはいけません。更に、インターンの仕事から、雇用者が急激な利益を得ることも禁じられています。これはつまり、概してインターンの慈悲で成り立っているということです。
だれも、無給、有給ともにインターンシップ数を公表してはいません。しかし、スタンフォード大学で、就職支援センター長を務めるランス・チョイさんは、無給インターンシップの急増を目の当たりにしています。
費用を削減したいという雇用主の思わくと、履歴書に書き加えられる職歴が欲しいという学生の思わくが合致して、更に加速度を増しています。
今年度、スタンフォード大学の就職掲示板には643の無給インターンシップが並びました。2年前のその数は174であったことから、3倍にも伸びていることがわかります。
2008年、全米就職協定協議会は、83%の大卒生がインターンシップの経験を有していると発表しています。1992年では9%でした。このことから、何百、何千という学生が毎年インターンシップを受けていることがわかります。
ある専門家は、1/4から1/2が無給インターンシップだと述べています。
The Unpaid Intern, Legal or Not
http://www.nytimes.com/2010/04/03/business/03intern.html?pagewanted=2&sq=unpaid%20intern&st=Search&scp=1