投票率は上がったか?
5月6日に行われたイギリス総選挙で、各党の獲得議席数はほぼ確定したが、インターネットやソーシャルネットワーキングサイトを利用した選挙活動が活発化した今回の選挙で、実際に投票率は上がったのだろうか。
英国テレグラフ紙のニュース記事によると、今回の総選挙の投票率は65%と発表されており、前回2005年の61%、前々回2001年の59%を上回る結果となっていることがわかった。
かつての水準には遠く
しかし、これは決して手放しで喜べる数字ではない。なぜなら、更にその前、1997年の総選挙では投票率は71%であり、この時と比べると今回の投票率は大きく下回っているからだ。
更に、今の感覚でいえば、この71%という1997年の数字を高いと感じるかもしれないが、当時は投票率が70%台前半に投票率が下落したことに人々はショックを受けていたのだ。
歴史的に見れば、この71%は決して高い数字ではなく、それだけ最近の投票率が急激に低下していることが伺える。
一部の選挙区では大幅アップも
もちろん、インターネットなどの新たなメディアを駆使した今回の選挙戦が国民の間で選挙に関する関心を高めたことは疑いがない。事実、いくつかの選挙区では非常に高い投票率を記録している。
一方で、驚くべきトラブルも起こっている。一部の選挙区では予想以上の有権者が投票に訪れたため、数時間待ちという長蛇の列ができたり、投票用紙が足りなくなったり、列に並んでいる間に投票時間が終了して結局投票できなかった人がいた投票所もあった。
投票の意思がある人が投票できなかったというこの事実は大きな問題となっている。
かつてないほどヒートアップした選挙戦の一方で、選挙管理側のキャパ不足、最終的に期待されたほどは伸びなかった投票率、有権者、選挙管理者、双方に反省の余地があるのではないだろうか。
General Election 2010: turnout set to be highest for 13 years
http://www.telegraph.co.uk/news/election-2010/7691797/General-Election-2010-turnout-set-to-be-highest-for-13-years.html