インターンの解雇が異例の話題を集める
インターネット・サービスやそれに関わる企業のニュースを取り扱うブログ、TechCrunchが2月5日付けで、インターンをひとり解雇したと発表しました。
そのインターンは、とある企業に対して、記事を書く見返りにMacbook Airを要求していました。このことを受けて、TechCrunchは事実を確認できるまでインターンを処分保留にしていました。事実確認ができたのは3日のことで、正式に解雇が決定したようです。
TechCrunchについて
TechCrunchは2005年に誕生したニュースブログです。新興のインターネット・サービスや企業を取り上げているところに特徴があり、当時のweb2.0の流れに乗って瞬く間に強力な影響力を持つウェブサイトに成長しました。
過去にはCBSやWall Street Journalなどでも取り上げられ、TechCrunchの運営に関わる投資家マイケル・アーリントンは、世界有数の経済雑誌フォーブスが選ぶウェブ界のセレブのひとりに挙げられ、PCWorldでもウェブ界で最も重要な人物50人に選ばれていました。
インターン解雇の詳細
インターンの解雇に関して、TechCrunchはマイケル・アーリントンによる謝罪記事を掲載し、このインターンによって書かれた記事をすべて削除すると決めました。削除された記事は、「全ての記事が今回の不正に関わっているわけではありませんが、この人物によって書かれた記事はすべて削除いたします」という謝罪文に置き換えられています。
弁護士でもあるアーリントンは、インターンが18歳以下であることを理由に名前の公表を控えています。一方、インターンのダニエルさんは自身のブログで名乗り出て、「度が過ぎてしまった」と、謝罪文を掲載しました。
「なんだかんだで、超えてはいけない一線を超えてしまった。詳しくは説明するつもりはないけど、きちんと本当に申し訳ないことをしたと謝罪したい」
10代の若いインターンにつきまとう問題
Googleが進めているプロジェクトのひとつに、若い人材をサンフランシスコに集めようというTeens in Tech Conference2.0というものがあります。先週、この会議に向けて発起人や動議提出者が選出されたばかりです。
シリコンバレーで活躍する10代がスポットライトが浴びる一方で、不祥事が明るみになるとは皮肉です。ダニエルさんは、この一件から、少し時間をとって、学業に集中し、10代の若者の生活を満喫したいとブログで語っています。
有名な米ビジネス雑誌、BusinessWeekでも活躍した経験のあるリチャード・ブランドさんは、この一連の解雇騒ぎは、未経験者をジャーナリストとして雇う際の問題を浮き彫りにしていると説明します。
「ものを知ろうという姿勢の足りないブロガーに見られる典型的な問題です。少なくともTechCrunchの、今回何が起こっていたのかということが判明してからの対応は正しいものでした。」
一方、他のメディアでは、職場の女性と寝たことで解雇宣告を受け、「ダメなの?そんなこと雇われるとき一言も言われなかったよ」と言って笑いを誘うコメディのシーンを例に挙げ、若い世代の人間的な未熟さにもっと警鐘を鳴らすべきという見解も伝えられています。
Intern fired in TechCrunch brouhahaTechCrunch Japan