系譜学者の終りなき研究
海外では、日本よりも系譜学の研究が盛んで、一般の方もよく家系図作りを趣味にしていたりします。また、専門家は自分の家系だけでなく、有名人もよく研究対象にしています。ハリウッド俳優や有名アーティスト、大富豪などがその研究対象となることが多いのですが、政治家も例に洩れず、良い研究テーマとなっています。
新たに見つかったオバマ大統領の親戚
今回バラク・オバマ大統領と親戚であることが発覚したのは、マサチューセッツ州の州知事に新しく当選したスコット・ブラウン氏です。系譜学の研究活動で150年以上も古い歴史を持つ組織「The New England Historic Genealogical Society」に所属する系譜学者が突き止めたということです。
この研究者によると、大統領と州知事の10代前の祖先は兄弟で、2人は遠い従兄弟同士ということになるようです。どちらも母方の血筋で繋がっているといいます。ふたりの共通の祖先はマサチューセッツ州のヘイバラルという土地に住んでいて、1687年当時珍しく102歳まで生きた長寿だったそうです。
今まで見つかったオバマ大統領の親戚
オバマ大統領の親戚が見つかったのは、今回が初めてではありません。歴史上初となった黒人大統領の誕生は、世界中から注目を集め、系譜学者も彼の系譜に興味を示しているようで、複数の著名な専門家が研究にあたっています。
まず最初にオバマ大統領の親戚だと判明したのは、ハリウッドスターのブラッド・ピットです。この際オバマ大統領は「男前の遺伝子は全部彼に持っていかれてしまったよ」と発言して話題となりました。
次いで、遠い親戚とわかったのは、前ブッシュ政権で副大統領を勤めたディック・チェイニー氏です。これはチェイニー氏のリン夫人が公にしたことで、彼女によると大統領とチェイニー氏は8親等の従兄弟だそうです。所属する党も違うふたりは、イラク戦争を巡っても意見が別れており、面白い対比となりました。
さらに最近の研究では、著名な投資家フォーレン・バフェット氏もオバマ大統領と同じ祖先を持つ人物だとわかっています。ふたりの共通の祖先は、17世紀、年季奉公人としてフランスからメリーランド州に移民したマレン・デュバルという人物で、オバマ氏からは9代、バフェット氏からは6代さかのぼった祖先となるそうです。
これは、大統領の家系図を研究していた学者ではなく、大富豪の家系図を研究していた専門家が発見したもので、たまたまオバマ大統領の家系図に関する研究に手をつけた際、同じ名前の人物を見つけたと説明されています。
これほどまでに、親族が発見されると、世界はなんて小さいんだと思ってしまいますよね。
Barack Obama & Scott Brown Related - 10th cousins?The New England Historic Genealogical Society