インターンシップに年齢制限はない…?
インターンシップの対象は、大学生であることが一般的です。学生が卒業後の就職を見据えて、先に就労体験を得るために行うのです。
必ず年齢が決まっているわけではありませんが、おそらく、ビル・プレスさんの70歳という年齢を超えるインターンにはなかなか出会えないでしょう。
70歳のインターンの正体
ビル・プレスさんは、アメリカのテレビで活躍する政治評論家で、CNNなどにも出演しています。また、自らニュース配信を行うブログの運営も行い、リベラル派のラジオ番組にも出演しています。この業界では、この上ないキャリアを持つ人物なのです。
ところが彼は、自らをインターンへと再び追い込みました。それにはきちんと目的があったのです。
インターンになった経由
リベラル派評論家であるプレスさんは、米国会議事堂のプレスパスを取得しようとしましたが、拒否されてしまい、上院に関する報道記者会見などが行われるプレスルームに入ることができませんでした。
そこで、プレスさんは以前から交流のあるバーニー・サンダースさんに相談します。70歳のインターンを雇う気はないか、と。なぜならサンダースさんは上院議員だからです。
「なんで雇わなきゃいけないんだ。」
と、サンダース議員は答えたそうです。そうやってプレスさんはインターンパスを手に入れ、国会の中を自由に行き来できるようになりました。
なぜ拒否されたのか
皮肉にも、プレスさんはホワイトハウスの記者リストに名前を記載されていました。それも一時的なものではなく、特に手続きや問題がない限り永続的に効力を持つものです。だから彼は好きな時にいつでも記者会見の場にいることができます。
しかし、国会議事堂では少し勝手が違ったようです。
「彼らの言い分では、私は報告というより、自分の意見を言うことに重点を置いているらしい。」
これは、彼が事態を説明した言葉です。
「例えば右派のビル・ベネットらのようなところにネタを配給しているフォックス・ニュースやセーレム・ラジオ・ネットワークの反対票を食らったと指摘したのかもな。聞いてくれ、だから『アルジャジーラ』は蛇足なんだ。」
そう言ってさらに付け加えます。
「カエルに醜いと言われるようなものだと言ったんだ。『アルジャジーラ』には物申したい。」
一方、上院のプレスルームは、プレスさんの申請が、記者組合の実行委員会によって却下されたと説明しています。詳しい理由については述べられませんでしたが、プレスさんの運営するニュースブログが原因となっていたようです。
さらにホワイトハウスと上院では勝手が違うと付け加えます。しかしインターンパスに関しては同じです。
「インターンは上院議会に雇われるからだ。実際雇われているインターンに関しては何もコメントできない。」
依然として、明確な説明は得られません。
インターンとしての勤め
プレスさんはインターンとしての勤めを果たし、サンダース議員のオフィスで雑用をこなします。週2日はここで働くつもりだと彼は話します。
事務所でチーフを務めるスタッフは、彼が同じインターンを集めて飲みに行こうとするので、驚いて目を見開いたといいます。
「あなた以外のインターンが、ちゃんとお酒を飲める歳になっているかどうか確かめてくださいね。」
やはり腑に落ちない
インターンシップをそれなりに楽しんでいるようですが、一方で、根本的な部分に滑稽さを感じずにはいられないようです。
「いろんな人がプレスパスを持っている。ボブ・ノヴァックも何十年とパスを持って、ワシントン・ポストに週2回自分の見解を載せていたし、CNNの番組でも同じことをやっていた。しかし、一方で私は、社会規範に反する行為をする下品な人間扱いをされているらしい。」
でも悪いことばかりじゃない
しかし、これはこれで功を奏したとも本人は考えているようです。
「私は物言わぬ貝になれて嬉しいよ。国会議事堂の報道イベントに行けるし、光栄なサンダース上院議員のインターンだ。完璧だよ。なんていったって、彼は私よりリベラル寄りと言えるたったひとりの議員だからね。だからうまくいってるよ。」
プレスさんは、「クビになるか上院に当選する前に」バッジを手にいれると語っています。
友人の応援
一方、サンダース議員は、広報を通じてこう意見を述べています。
「私がビルとの付き合いを始めてから数年経つ。彼を友達だと思っているし、アメリカで最も進歩的なトークショーを仕切れる人間のひとりだ。コピーを取るのはうまくなったが、コーヒーをうまく調達する術を学んで欲しいな。」
BILL PRESS, 70-YEAR-OLD INTERNTHE BILL PRESS SHOW