二戸漆のイベントを東京で 瀬戸内寂聴さんの講演も
漆生産量日本一を誇る
二戸市は、15日から3日間、東京都で漆をテーマにした産学官連携イベント「~過去から未来へ~ときをつなぐ漆」を開く。漆産業の現状と最先端の研究の周知が目的。浄法寺塗をはじめとした国内外の漆工芸品の展示、名誉市民の瀬戸内寂聴さんや専門家の講演などを通じて、漆の魅力を発信する。
イベントは、東京都千代田区の明治大アカデミーコモンで開催する。二戸市が中心となり、
明治大と全国の学術者や漆生産者らで構成する「漆サミット実行委員会」を加えた3者で主催する。
同イベントは午前9時から午後5時まで。入場無料。
漆を使った文化財紹介、東南アジアの漆工芸品も展示
期間中は、
日光東照宮などの文化財修復に使われている浄法寺漆の特徴を紹介するパネルや浄法寺塗の器のほか、国内の代表的な産地や東南アジアで作られた漆工芸品など約270点が並び世界の漆文化が一堂に会する。
会場には、漆掻き職人や塗り師の道具も展示。漆の原木35本を設置し樹液採取や器への漆塗り体験ができる。
寂聴さんの講演は初日。16、17の両日は、全国の漆研究者による成果発表や「産地の現状と今後」と題したパネルディスカッションなどが開かれる。
イベントは、国の「地方の元気再生事業」を活用した漆振興事業の一環で、事業費は市が全額負担。市うるし振興室の中村裕室長は「日本一の産地である二戸市が先導して首都圏で開催することで、漆の知名度向上と産業振興につなげたい」と期待する。