東電「値上げは事業者の権利」言い切る
17日に企業向けの電気料金を平均
17%値上げすることを発表した
東京電力。ところが、この値上げが事前には政府の
原子力損害賠償支援機構に知らさせれていなかったことが判明した。毎日jpが29日、報じた。
支援機構は「不意打ち」の値上げに怒り心頭だ。しかも、
機構側が
17%という数字の根拠をただしたところ、
東電側は08年の料金原価の数字をもとに説明
したという。
東電は
福島第一原発事故の賠償ために政府から資金援助を受ける。同時に、
東電自身は経営の合理化が求められている。毎日jpによれば、08年という古い数字をより所に値上げをしようとする
東電に対し、
機構は「合理化策がふくまれていない」と迫ったが、
東電は“だんまり”であったという。
猪瀬直樹・東京都副知事は、
「東電は殿様商売でいばっている」
と不満をあらわにしている。一方の
東電・
西沢俊夫社長は、
「(値上げは)事業者の権利だ」
と言い切ったと、毎日jpは伝えている。
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Abode of Chaos]
自治体次々にPPS検討
こうした
東電の態度に実力で対抗しようとする動きも出ている。
世田谷区は、12年度から公共施設(一部)の電力を、
特定規模電気事業者(PPS)を含めた希望制指名競争入札で購入する
ことを決めた(毎日jp24日報)。
毎日jpによれば、
PPSは全国に約50社、ガス会社や商社などが火力発電などで発電している。
17%値上げされた
東電の電力を使う場合と比較すると、
PPSが落札した場合には、約
1億1000万円の経費削減になると世田谷区は見ているという。また、msn産経ニュースによれば、
宇都宮市も24日、電力の一般競争入札を検討する方針を発表した。
東日本大震災以降、既存の電力会社から
PPSへ乗り換える動きが進みつつあるが、
東電の「
17%値上げ」が、火に油を注ぐ形で、さらに「
脱東電」を加速させそうだ。
毎日jp
東京電力:不意打ち値上げ、政府支援機構が怒り
http://mainichi.jp/select/seiji/news/20120129k0000e010104000c.html世田谷区:入札で一部電力購入 PPS含め来年度から 1億1000万円削減も
http://mainichi.jp/area/tokyo/news/20120124ddlk13010256000c.htmlmsn産経ニュース:宇都宮市「脱東電」 一般競争入札など検討へ
http://sankei.jp.msn.com/region/news/120125/tcg12012502230000-n1.htm