ありのままの真実をさらけ出して
フランスのサルコジ大統領は、選挙キャンペーンにおける弱い立場から抜け出すために、危険な戦略に出た。それは、大統領としての5年間の結果を、美化しないことである。
その代わり、フランスの失われた国際競争力、増加する失業率、若者の絶望的な状況など、不愉快な真実を有権者に突き付けたのである。彼のメッセージとは、こうである。
「われわれは、迅速に、さらに前進しなければならない。“新サルコジは旧サルコジを追い抜くために挑戦する!”」
米格付け会社スタンダード&プアーズ(S&P)がフランス国債の最上級格付けを「AAA」から「AA+」に引き下げた時点から、フランス人には、最上級に据え置かれたドイツと比較して、はるかに悪化していることは、はっきりしている。
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World Economic Forum明確な政策のない中で
近いうちに出される公式の再選に向けての演説のなかで
「私にあと5年を与えてください。そうすれば、あなたたちを悲惨な谷から導き出すでしょう。」
と、訴えている。
これが通常の状況下であれば、有権者は「大統領、あなたにはチャンスがありました。ありがとう。」と言うだろう。ただ、本当に説得力のある対抗する候補者がいないのである。
社会党の候補者フランソワ・オランド前党首についても、彼が本当にどんな異なる政策をしたいのか分からない。
仏調査機関が格下げ当日の13日と翌14日に行った世論調査では、サルコジ大統領の支持率は前回から2.5ポイント減の23.5%、オランド氏は30%を保ち、差は拡大した。
ハンデルスブラット誌(Handelsblatt)
http://www.handelsblatt.com/meinung/kommentare/sarkozy-ueberholt-sich-selbst/6082280.html