キャンセル待ちが溢れた東京での上映
2011年、最も衝撃的だった出来事といえば「
東日本大震災」をおいて他にはない。その被災地を記録した2本のドキュメンタリー映画がひそかに話題になっている。
その作品は「
大津波のあとに(監督・森元修一)」と「
槌音(監督・大久保愉伊)」。
山形国際ドキュメンタリー映画祭2011での正式上映では立ち見が出る盛況となり、11月、東京のミニシアター「
アップリンク」(渋谷)での上映の際も、劇場は連日キャンセル待ちの人が溢れ、ついに観ることがかなわなかった人もいるという。上映は1週間限定の予定を急遽1週間延長したが、それでも最終日まで超満員であったという。
この2作品の再上映が1月1日、公式サイトにおいて発表された。東京では、「
アップリンク」にて1月7日〜13日のモーニングショーで再映となる。その後、
1月21・22・25日:三重県
1月28日:愛媛県
と続き、2月以降、
長野県、
北海道、
新潟県、
静岡県などでの上映が予定されている。詳細は、公式サイトをご参照を(下部にリンク)。
「スマイル・アゲイン」を歌う卒業生のうつろな表情
同作品は、サイト「greenz.jp」でも、「被災地に“行けなかった”人にぜひ観て欲しい」作品として丁寧に紹介されている。記事は、
(被災地に)足を踏み入れ、悲嘆にくれる人々に声をかけた森元さん(監督)の勇気
を讃え、そして作品が徹底的にその
森元氏の視点から作られているため、映画を観る観客は、
間接的にではあれ実際に現場を「見る」ことができる
としている。
[映画の1シーン(公式サイトより)]
さらに映画はある小学校の卒業式を映し出す。被災地で苦労して手作りの卒業式を行った等のニュースは目にするが、このドキュメンタリーで映し出されるのは、式典で「スマイル・アゲイン」を歌う卒業生たちのうつろな表情。記事は、
このうちどれだけの子供が親や兄弟や祖父母を失ったのか、それを考えると彼らが笑顔になれないのは至極当然のことです。
と記している。
2012年、新たな年は明けたが、被災地の苦難が終わったわけではない。このような作品に触れ、改めて被災地に思いを致したい。「
大津波のあとに」の予告編と、2作品のスチール映像を下部に掲載する。
映画「大津波のあとに」「槌音」公式サイト
http://fartheron.soragoto.net/index.htmlgreenz.jp
被災地に「行けなかった」人にぜひ観て欲しい、震災直後の被災者と私たちの感情を閉じ込めたような映画『大津波のあとに』『槌音』
http://greenz.jp/2011/11/16/311_after_tsunami/[ドキュメンタリー映画「大津波のあとに」予告編]
[「大津波のあとに」「槌音」スチール]