新民主主義党(ND)が不法移民の問題に注目
ギリシャのテレビ局ANT1の朝の人気トーク番組の生放送中に、7日、極右政党「黄金の夜明け」の議員イリアス・カシディアリス氏が、急進左派連合(SYRIZA)の女性議員にコップの水を浴びせたり、3度も平手打ちにする暴行事件があった。
極右政党「黄金の夜明け」は、先月の総選挙において、不法移民に反対する選挙キャンペーンで、7%もの支持率を得た。しかし、この事件に対するギリシャ国民の憤りは、大きくなってきている。そこで、新民主主義党(ND)のアントニス・サマラス党首は、有権者の支持を取り戻すために、この事件を利用する手段に出た。
サマラス党首は、
「不法入国者の侵攻を終わらせよう。だが、自警主義と過激主義によってではなく。ヨーロッパの支援を受けて、法的な方法でなされるべきだ。」
と主張。緊縮政策よりも移民問題を押し出したのだ。Der Standard.atが10日、報じた。
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Aster-oid17日の国民議会再選挙まであと数日
5月6日に実施されたギリシャ総選挙では、急進左派連合(SYRIZA)は、ギリシャ政府による緊縮財政策に反対する国民の支持を受けて52議席を獲得し、全ギリシャ社会主義運動(PASOK)を抑えて第2党に躍進した。
17日の日曜日、新民主主義党(ND)か急進左派連合(SYRIZA)のどちらが強い政党か決定する。そして、政府の形成を可能にする50議席のボーナスを受け取れる。最新の世論調査によると、両党とも同率である。
急進左派連合(SYRIZA)のアレクシス・ツィプラス党首は、引き続き、欧州連合(EU)と合意した緊縮政策の中止を約束。しかし、国内の安全と不法移民の問題は、再選挙を目前に控えて、緊縮政策やユーロ問題よりも、重要なテーマになってきている。
ギリシャ内のアフリカやアジアからの不法移民の数は、50万人と推定される。ビザと所得のない移民の一部が、犯罪に身を落とすのは事実である。
ともかく、ギリシャ政府は、2014年までの115億ユーロ(約1兆1500億円)分の追加の緊縮策をまとめると決めており、6月中という期限が迫っている。
Der Standard.at
http://derstandard.at/1338559126850/