資金集めから遺族のケアまで
死がいつも近くにあるホスピスの現場。日本ではまだ閉ざされたイメージがあるかもしれない。だが、ホスピス先進国アメリカでは、多くの市民がボランティアとして関わっている。
アメリカ、エッグハーバータウンにあるアトランティホスピスでは、ボランティアが重要な役割を担っている。
活動の内容は、患者の訪問、年に数回のイベントの準備、資金集めなど。また数人ずつ、近隣の遺族のもとを訪ね、グリーフサポートもする。参加するボランティアは、グループごとに専門的な研修を受ける。
先月、ボランティアの表彰式が行われ、これまで3000時間以上活動してきた145人に記念品が贈られた。
大切なのは患者への敬意と明るさ
なかでも患者の訪問には一番やりがいを感じるというボランティアが多い。10年に渡り活動してきたハワードさん(81)はいう。
「ホスピスといっても、いつも死について話しているわけではありません。患者さんと歌ったり、祈ったり、家族のことを話したりしています。そんな時間がうれしくて、いつの間にか、私のほうが患者さんに会いたくてここに通うようになっていました。大切なのは患者さんに敬意を持って、そしてつねに明るく接することです」。
最期にひと言を告げて
ボランティアが患者の死に立ちあうケースも多い。コーディネーターのホペさんは、そのときが来たら、何かしら患者に言葉をかけてほしいと話す。
「言葉かけがあれば、患者さんは最期に自分のことを気にかけて世話をしてくれた人がそこにいることに気づきます。それだけのことでも満たされ、安らかに眠りにつくことができるのです」。
アトランティケア
http://www.atlanticareathome.org/