実態調査の結果
総務省は、東日本大震災の被災者に対して国の資格試験や免許証等の再交付手数料に係る特例措置がどの程度行われているのかを把握する調査を行った。原則として平成22年度の資格試験の受験者数が5,000人以上の資格制度73個を実施状況を把握する対象資格とした。
まず、何らかの特例措置を実施しているものは、73制度中47制度であった。実施割合としては64.4%となっており、およそ3分の2は何らかの特例措置を実施していることが明らかとなった。
具体的には、証明書類の提出期限の延長等を行っているのが16制度、試験日の変更や追加試験を実施しているのが10制度、受験料の返還を行っているのが10制度などとなっている。
次に、免許証等の再交付手数料を免除する特例措置を実施しているもの(予定を含む)は、59制度中13制度であった。実施割合としては22.0%となっており、およそ8割が特例措置を実施していないことがわかった。
特例措置を実施していない主な理由
まず、何らかの特例措置を実施していない主な理由としては、試験の実施時期が震災から一定期間経過しているためが13制度、今後必要に応じ検検討する・試験会場が複数のため・受験者からの要望がないためが各6制度などとなっている。
次に、免許証等の再交付手数料を免除する特例措置を実施していない理由は、法令に免除規定がないためが20制度、被災により免許証を喪失した場合、一定期間有効な登録済証明書等を無料で発行することとし、実質的に特例措置を講じているためが19制度などとなっている。
被災者への特例措置をいかに設けるかは、設け方によっては優遇措置にもなりかねないため、非常に難しい問題であるが、被災者が不利にならないよう配慮して欲しいものだ。
総務省 東日本大震災に伴う国の資格試験や免許証等の再交付手数料に係る特例措置の実態把握の結果
http://www.soumu.go.jp/menu_news/s-news/48352.html