事故直後には住民が被曝(ひばく)していた可能性を指摘
米ニューヨーク・タイムズ紙が9日付の記事で、東京電力福島第一原発について大きく取り上げている。
紙面によると、福島第一原発の事故では、日本政府が緊急時迅速放射能影響予測ネットワークシステム(
SPEEDI)のデータを事故直後に公表することを怠ったために、福島県浪江町など
原発周辺に住んでいた住民の多くが被曝(ひばく)している可能性が高いと伝えている。
原発事故を軽視、その場しのぎの対応をしてきたとも
この長文の記事の中では、当時の内閣官房参与であった
小佐古東大大学院教授が、事故直後にSPEEDIのデータ公表を政府に進言したが、避難コストがかさむことを恐れた政府が公表を避けたと指摘。
危険を軽視し、その場しのぎの対応を行ってきたことが事態の収束を遅らせているとしている。
また、事故の規模や健康被害の
リスクを過小評価しようとする政府に対し、国民や避難生活を余儀なくされている住民の怒りが増大しているとも評している。
先の見えない「事故の終息」
いまだに収束のめどもつかない福島原発事故。今回の事故の状況について、当初から二転三転している政府の発言。
震災翌日にはメルトダウンを起こしていた可能性があったという事実も最近になって公表された。他にも公表できない事実があるのではないかと誰もが不安をかけているに違いない。
また、国の対応が後手後手に回る現実、避難住民の中では
自分の身は自分で守るしかないといった実情が浮き彫りになっている。今後事態の収束に向けて政府がとるべき対応はどうなっていくのであろうか。
The New York Times - Breaking News, World News &Multimedia -Japan Held Nuclear Data, Leaving Evacuees in Peril【NY Times 元記事】