東日本大震災事業者再生支援機構を新設
東日本大震災で被災した多くの事業者が、今までのローンに加えて新たなローンを抱える「二重ローン」問題に悩まされている。政府は、中小企業基盤整備機構などが出資する、主に中堅企業を対象とした「産業復興機構」を被災各県に設置する準備を進めている。
しかし、この制度では中小企業や零細企業はなかなか支援対象とならない。そのため、民主党、自民党、公明党の3党は、国が出資する「東日本大震災事業者再生支援機構」を新設することで合意した。「東日本大震災事業者再生支援機構」は国の全額出資で来春までに新設される予定で、返済は最長で15年間猶予される。
「産業復興機構」と「東日本大震災事業者再生支援機構」の2つの機構が買い取る資金枠は合計5000億円規模となる。このことで、返済が滞っている被災事業者の大半が救済対象となる。しかし、もしもこの債権が回収できないという事態に陥ると、国民の税金を使ってその穴埋めを行う可能性がある。
東日本大震災事業者再生支援機構の概要
新設される「東日本大震災事業者再生支援機構」は、自営業などの零細事業者や農林水産業者、医療・福祉事業者を主な支援対象としている。こうした小規模の事業者は再建が確実でないため、「産業復興機構」による支援は難しいケースが多い。
しかし、被災地での再生を目指す事業者の多くを支援するために、「東日本大震災事業者再生支援機構」が銀行や農漁協などが有している東日本大震災前の貸し出し債権を買い取り、最長で15年間、元本と利子の返済を免除する。そして「東日本大震災事業者再生支援機構」が金融機関から借りる資金には国が保証をつける。
首相官邸
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