古賀氏が退職
経済産業省の「改革派官僚」として知られていた古賀茂明氏が9月26日で退職した。古賀氏は1980年に現在の経済産業省の前身である通産省に入省した。国家公務員制度改革推進本部事務局の審議官を務めた後の2009年12月より官房付となり、長年勤務してきた。
56歳で退職した古賀氏は、公務員でありながら公務員制度改革の重要性を訴えていてきた。古賀氏は2011年7月に退職勧奨を受けていたが、これまで「仕事を与えてほしい」と拒否していた。
しかしその後も退職を促されて続けたことを受け、9月26日朝に安達健祐次官と面会し、辞職する旨を正式に伝えた。古賀氏は枝野経済産業相と面談することを望んでいたが、実現することなく退職となった。
古賀氏の今後について、一部では国政選挙や大阪府知事選へ出馬するのではないかという憶測がなされていたが、これらへの出馬は否定した。古賀氏は、今後について、党派を超えて改革派の国会議員を支援したり、地方自治改革に取り組む地方自治を支援したりしたい旨、述べている。
古賀氏が退職した背景
古賀氏は民主党の「天下りをなくす」という公約に大きな期待をしていた。しかし、民主党政権となってまもなく、形式的には天下りを禁止しつつも実質的には天下りを認めるという骨抜き法律ができた。
古賀氏が民主党の公務員改革について批判したところ、当時の上司であった仙石氏より「将来に傷がつく」という回答がなされたことを受け、仙石氏のこの発言が問題視されていたこともある。
古賀氏は民主党政権の天下り問題への取り組みなどを批判した書籍を書いている。その本は「日本中枢の崩壊」であり、ベストセラーにもなっている。
今後どの党が政権をとっても公務員改革が進むことはないのであろうか?利益を受ける立場の公務員がここまで真剣に公務員改革を訴えたにもかかわらず、このような結果となっているため、今後どの党がどのような公務員改革を行っていくのかをチェックしていきたい。
経済産業省
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