株式会社ファミリーマートは、移動コンビニ「ファミマ号」を、稼動することを発表している。
同コンビニは、「常温・定温・冷蔵・冷凍」の4温度帯の販売設備を備えた移動販売車のことで、同社として初めての取り組みとなる。
今後は、2011年9月中旬から、宮城県仙台市の避難所などで営業を開始し、その後、岩手県、福島県、宮城県を中心に、2011年10月末までに、合計3台の「ファミマ号」を稼動していくとのこと。将来的には、各地の買い物不便地域での営業も実施する予定となっている。当面は、約300種類の商品が品揃えされるが、地域の利用客のニーズにあわせ、品揃えは随時変更されることになる。
同様の移動販売サービスについては、「セブン・イレブン」は、7月下旬、改造した軽トラックを使った、顧客から携帯電話で要請を受けながら集会所や個人宅を回る、移動販売の多店舗展開を始めている。
また、「イオン」は、9月開業の七戸十和田駅前店で、店舗から50キロ程度の範囲で移動販売を始めており、「ローソン」は、「モバイルローソン号」と名付けた1トンコンテナ車を東北に配備し、デリカ総菜などの提供を可能にしている。
独自の商品を次々に開発し、集客力を磨いてきたコンビニ・スーパーは、「客を呼ぶ」スタイルから出店に際しての立地条件を最重視してきたが、今回の取り組みは、店にまで行けない「買い物弱者」の欲しい商品を届けるといった、昔懐かしい「御用聞き」サービスの意味合いが強いのではないだろうか。買わなくて済む、食べなくて済む、消費志向が減退する平成の時代に、手厚いサービスは“新鮮”と映るか。
株式会社ファミリーマートリリース