冒頭陳述の内容
2011年9月12日、大阪地裁にて、大阪地検特捜部の証拠品改ざん事件絡みで、犯人隠避罪の被告人である2名の初公判が行われた。被告人となっているのは、元部長で58歳の大坪弘道氏と、同罪の被告人である元副部長で50歳の佐賀元明氏の2名だ。2名ともすでに懲戒免職となっている。
検察側の冒頭陳述によれば、2010年1月30日、元主任検事であり既に証拠隠滅罪で実刑となっている前田恒彦受刑者の同僚である国井弘樹検事らが、郵便不正事件の証拠品だったフロッピーディスクのデータ改ざんを佐賀被告に報告したとされる。
そして前田受刑者が佐賀被告との電話で故意による証拠品改ざんを認め、佐賀被告が大坪被告へその旨を伝えた。その後、大坪被告は佐賀被告を通じて前田受刑者に対して過失で書き換えたことにするように指示したり、次席検事と検事正に過失で問題ないと報告したりしたとされる。
このようなもみ消しを行った動機は、前田受刑者の逮捕や大阪地検特捜部や検察全体への悪影響を懸念したためだと見られている。
罪状認否で否認
罪状認否で大坪被告は、予期しがたい改ざん行為が行われたことに責任を感じているとしつつも、犯人隠避を行う意思や元副部長との共謀はないから無罪を主張している。
佐賀被告も、証拠品改ざんがあった認識はないと起訴事実を全面的に否認しており、無罪を主張している。
今後、検察側、弁護側双方が様々な証拠を出すと思われるが、特捜部の幹部が職務上の証拠改ざん事件に関わって被告人になるという前代未聞の刑事事件の行方が気になるところだ。
この裁判は12月22日に結審し、2012年3月くらいに判決が言い渡される見込みだが、二度と同様の事件が起きて欲しくない。
大阪地方検察庁
http://www.kensatsu.go.jp/kakuchou/osaka/osaka.shtml