キャメロン英国首相の拒否により、EUが分裂の危機に
8日夜からブリュッセルで欧州連合(EU)首脳会議が開幕した。ドイツとフランスが強く要求していた、27か国一致によるEU条約を改正する案は、英国の拒否により妨げられた。
メルケル独首相とサルコジ仏大統領は7日、欧州連合(EU)理事会議長(大統領)のファン・ロンパウに送った書簡で、EU27か国が一致して基本条約を改正できない場合、ユーロ圏17か国だけで先行実施する方針を示していた。
そのゆえ、ユーロ圏17か国と非ユーロ圏6か国により、財政規律を強化した独立した条約を締結するつもりである。
キャメロン首相は、EU条約改正に拒否権を行使したことに対し、次のように語った。
「厳しいが、最良の決定である。われわれは、保護付帯条項を得られないのならば、傍観者になるほうがいい。
英国は、将来的にもユーロを導入するつもりはない。さらに、国境管理なしのシェンゲン協定に参加もしない。私は、シェンゲン協定圏に参加していないことも、ユーロを持っていないこともうれしく思う。」
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World Economic Forum17プラス6か国による独自の条約
27か国のEU加盟国のうち23か国による財政規律と厳しいコントロールを課した条約を実施することになる。信頼性を高めるために、スピードが重要で、3月までには、新条約を締結する予定。
英国のほかには、ハンガリーが条約改正に拒否した。
独自の条約に参加する非ユーロ圏の6か国はブルガリア、デンマーク、ラトビア、リトアニア、ポーランド、ルーマニアである。スェーデンとチェコ共和国は、まだ議会の承認を得なければならない。
フォークス誌(Focus Online)
http://www.focus.de/finanzen/news/staatsverschuldung/eu-gipfel-cameron-spaltet-die-eu-briten-verhindern-vertragsaenderung_aid_692359.htmlシュピーゲル誌(Spiegel Online)
http://www.spiegel.de/politik/ausland/0,1518,802617,00.html