メルケル独首相の見解
メルケル首相は、2日、連邦議会の基調演説において、ユーロ圏の危機克服には欧州連合(EU)条約の改正が必要だと訴えた。さらに、問題を抱えた加盟国を厳しく監視するための国庫同盟を要求した。
首相は、政府の宣言の中で、ユーロ圏は長期的な本当の国庫同盟によってのみ安定を図れ、そのためには、欧州連合(EU)条約の改正、加盟国財政の協調強化、債務国への自動的制裁の必要性を訴えた。
首相は、明確に12月9日のブリュッセルにおける欧州連合(EU)首脳会議への高い期待に警告し、
「必要とあらば、独自の協定で持ってユーロ圏に先行する。欧州の債務危機は、一夜で解決できるものではない。もちろん奇跡をもたらす解決策もない。むしろ、マラソンのようなものだ。」
との考えを示した。
Image:
Bundeswehr-Fotos Wir.Dienen.Deutschland.欧州連合条約の改正を求めて
ドイツ政府の目的は、欧州連合の中でユーロ圏諸国と非ユーロ圏諸国との間の分裂を防止するために、欧州連合(EU)条約を改正することである。非ユーロ国のポーランドも競争力と収れんのための経済政策協調の強化を意味するユーロプラス協定に参加を示した。
首相は、サルコジ仏大統領が1日に南部トゥローンで演説したように、9日に開催される欧州連合(EU)首脳会議に提出する独仏共同案の概要をまとめる方針。
野党の非難
ドイツ野党は、メルケル首相にユーロ危機の政策の失敗に対し非難した。ドイツ社会民主党(SPD)の分派代表フランク=ヴァルター・シュタインマイアーは、連邦議会において、
「連立政権は、移り気と決断力の弱さによって、ヨーロッパの安定性を危険にさらした。われわれドイツ人は、ギリシャ人やイタリア人を救済するのではなく、自分自身、われわれの銀行、財産、職場を救済するのだ。首相は、初めから明確な態度を取らず、ためらいや啓発により、他の欧州諸国を憤慨させることとなった。」
と、語った。
シュテルン誌(Stern Online)
http://www.stern.de/politik/deutschland/grundsatzrede-vor-dem-bundestag-merkel-will-die-euro-zone-20-1757952.html