前川彰司氏に再審決定
1987年、福井県で女子中学生が殺害された。その犯人として逮捕されたのが前川彰司さんだった。前川さんは逮捕直後から無罪を主張し続けた。
1990年に行われた第1審では無罪となったが、第2審で有罪となり、
1997年に最高裁が上告棄却したことで前川さんの有罪が確定した。前川さんは懲役7年となり、2003年に出所したが、潔白を訴え続ける前川さんは2004年、再審請求をした。
2011年11月30日、名古屋高裁金沢支部は前川さんの再審を決定した。入院中の前川さんが自身の再審決定を知ったのは病棟のテレビだった。前川さんは感無量と述べる一方で、警察や検察への怒りを述べた。
前川さんの夢
今回、名古屋高等裁判所金沢支部は、新証拠によって知人の証言の信用性が非常に弱いと考えられること、前川さんが被害者宅に立ち入ったことを示す客観証拠が見つかっていないことなどにより再審開始を決定した。
しかし、再審で前川さんに無罪が言い渡されるかどうかはわからないため、前川さんが心の底から喜べる日はまだ先となりそうだ。そんな前川さんの夢は、卒業半年前に中退した高校を卒業すること、ボランティアなどで社会貢献することである。
近年、いろいろな事件が「冤罪事件」となっている。無実であるにもかかわらず長年にわたって犯人扱いされてきた人はもちろんのこと、真犯人を知ることができなかった被害者やその遺族にとっても冤罪という結論はあまりにも悲惨である。
これ以上冤罪事件が起こらないよう、警察や検察はしっかりと対策を講じてもらいたいものだ。
裁判所
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