ドイツ国内の抗議活動が活発化
25日、フランスのラ・アーグ再処理工場で処理された放射性廃棄物を載せた列車は、独仏国境で待機した後、ニーダーザクセン州のゴアレーベンに向けて出発した。この放射性廃棄物は、ドイツ電力会社の依頼を受けてフランスのアレバ社が処理したものである。
福島第一原発の事故の影響で、ドイツ国内では反原発団体の活動が活発化し、あちこちで激しい抗議活動が起きている。そこで、警察は、2万人近い警官隊を動員し、警備にあたっている。
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Kleine Gelbe Enteドイツは放射性廃棄物を受け取らなければならない。
ゴアレーベンへの放射性廃棄物の輸送は、10年来議論されている。廃棄物は、800m深いところに収容されるのだが、グリーンピースや他の団体は、旧東ドイツとの境界に位置するゴアレーベンの岩塩の安全性を疑問視している。
岩塩ドームの近くに、地上に設置された一時保管場所がある。そこで運ばれた廃棄物は、最終処分施設に収容されるまでの間、冷却され中間貯蔵される。その周辺では、かなり前から放射性廃棄物の輸送に対し抗議の声が上がっていた。
今回の高レベルの放射性廃棄物の輸送が最後である。ドイツ連邦政府と電力会社は、2005年7月1日、使用済み核燃料棒を再処理しないことで同意した。しかし、政府は、すでに以前外国に輸送され、処理された放射性廃棄物は受け取らなければならないのである。
ゴアレーベンの岩塩
ゴアレーベンの岩種は、岩塩である。処分深度は、840mから1,200mで、岩塩ドームの規模は長さ約14km、幅約4kmであり、多くの放射性廃棄物を処分するのに十分な規模である。岩塩ドームは、岩塩層がその上位に堆積した地層との比重差によってドーム状に隆起して形成された構造であり、ゴアレーベンの岩塩ドームは、約2億5千年前に出来た岩塩層が長い年月をかけて隆起して形成されたものと考えられている。
シュテルン誌(Stern Online)
http://www.stern.de/politik/deutschland/castor-zug-atommuell-transport-in-deutschland-erwartet-1755118.htmlシュピーゲル誌(Spiegel Online)
http://www.spiegel.de/thema/gorleben/