立ち入り調査になった経緯
三菱重工業(株)は2011年6月15日、航空機部品を製造する際に規定違反していた旨の告発文書を受領した。その後、社内で聞き取り調査を行い、2006年4月からおよそ4年間にわたって名古屋市港区にある名古屋航空宇宙システム製作所大江工場で規定違反していた旨が発覚したため、2011年6月21日に公表した。
(参考:対象部品を搭載した航空機(三菱重工業(株)からの情報による))
・ボーイング787、777、767、エアバス380、330、MH-2000、その他防衛省向け航空機、ロケット等
内部告発後に自社内で隠蔽せずに公表した点は評価できる。しかし、およそ10年前に三菱自動車がリコール隠蔽問題を起こしているだけに、自動車よりも事故が発生した際のリスクが大きい航空機部品で規約違反を行っていたことは衝撃的だ。
規定違反の内容
三菱重工名古屋航空宇宙システム製作所大江工場は、2006年4月からおよそ4年間、貨物室ドアヒンジや点検用主翼パネル等の航空機部品を製造する際に、製造過程で行う浸透探傷検査の前処理作業の一部について規定違反を行っていた。
浸透探傷検査とは、非破壊検査の一種で、部品表面に生じる微少な亀裂等の検出を目的とするもの。
これに対して国交省は、三菱重工に対して早急に詳細な事実関係の報告および徹底した原因究明を行い、万全な再発防止策を講じるように指示した。国交省は三菱重工からの結果を受けたら、関係各所と連携をとりながら必要な措置を講じていく予定だ。
三菱重工は6月23日に行われる定時株主総会の際に、厳しく追及されることが予想される。
国土交通省 報道発表資料
http://www.mlit.go.jp/report/press/cab11_hh_000031.html国土交通省 三菱重工業(株)が行う航空機部品の製造時における規定違反について
http://www.mlit.go.jp/common/000147967.pdf