月例経済報告を発表
内閣府は平成23年6月20日、平成23年6月分の月例経済報告を発表した。その冒頭で、
景気は、東日本大震災の影響により依然として厳しい状況にあるなかで、このところ上向きの動きがみられる。
と記載しており、久しぶりに喜ばしい結果となった。
生産や輸出に上向きの動きが見られたり、個人消費の下げ止まりを感じられたりすることから、総合的に見て上向きの動きと判断された模様だ。ただし、雇用情勢はいまだに厳しいままなので、さらに上向きになるためには、雇用情勢の回復が鍵になるとも考えられる。
先行きリスク
先行きについては、5月の時には「サプライチェーン立て直しの遅れ」を指摘していたが、6月には「サプライチェーンの立て直しが進み」と書き換えられていることから、サプライチェーンの立て直しは評価されている。
これから海外経済の回復や諸政策の効果なども加わり、景気の持ち直しがよりいっそう期待できる。その一方で、福島第一原子力発電所の事故の影響による節電や省エネの動きに伴い、景気回復が遅れる可能性もあるため、明るい見通しばかりではない。
日本銀行が6月14日に決定した成長基盤強化支援資金供給における新たな貸付枠の設定により、より早く景気回復することを望むばかりだ。
月例経済報告 平成23年6月
http://www5.cao.go.jp/keizai3/2011/0620getsurei/main.pdf内閣府
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