訪日外国人数の減少原因
日本政府観光局は6月16日に訪日外国人数と出国日本人数の推計値を発表した。それによれば、2011年5月の訪日外国人数の推計値は35万8千人。これは前年の5月と比べて50.4%も少ない数値だ。
その原因の多くは東日本大震災の影響と考えられている。まずは福島第一原子力発電所の事故がまだ収束していない点が挙げられる。次に、東日本大震災後、各国から日本への航空便が減少している点が挙げられる。さらに、訪日教育旅行や、近年人気のあった九州へのクルーズ旅行が中止された点が挙げられる。
このような厳しい状況の中で、一部の旅行会社が訪日団体格安ツアーを組んだこともあり、半減ですんだとも考えられている。これから夏を迎え、各地で様々なお祭りやイベントが行われるが、今年の夏は日本各地で節電や省エネに取り組むため、訪日外国人数がさらに下回らないか非常に心配だ。
出国日本人数の減少原因
2011年5月の出国日本人数の推計値は115万6千人。これは前年の5月と比べて8.4%少ない数値だ。
この原因も東日本大震災の影響と考えられている。まずは自粛モードが広がり、海外旅行を自粛する人が増えたことが挙げられる。次に、東日本大震災後、日本から各国への航空便が減少している点が挙げられる。さらに、様々な国でのテロや暴動、病気、自然災害などが挙げられる。
それでも減少幅がこの程度に抑えられた背景には、ゴールデンウィーク中に長期休暇を取得しやすいカレンダーであったからだと考えられている。今年の夏は節電や省エネのために休暇がずれたり、不規則な労働日・時間になったりすることが予想されるため、出国日本人数がどうなるのか心配だ。
日本政府観光局 訪日外客数・出国日本人数
http://www.jnto.go.jp/jpn/downloads/110616_monthly.pdf