「15%」という事実をどう考えるか
世界保健機関(以下:WHO)と国際復興開発銀行(世界銀行)は9日、心身に障がいを抱える人が世界で少なくとも10億人に上るとの報告書を公表した。世界全体の人口のおよそ15%を占める。世界の障がい者に関する報告書をまとめたのは今回初めて。
貧富の差が障がい者の苦しみを生みだしている
報告書によると、そのうち認知障害や四肢まひ、重度のうつなど日常生活や社会生活を営む上で、著しい制限や不自由を感じるなど深刻な状況に置かれている人は最大で1億9千万人に上ると推定される。このほか、障がいで苦しむ人は豊かな国よりも貧しい国に多い傾向があるという分析結果も出ている。
また障がいのある子どもについては、健全な子どもに比べて就学時期が遅く、進級できない割合も多い。介護サービスを受けることで障がい者自身や家族の経済負担も重くのしかかっているのが現状だ。
WHOなどは2008年に発効した国連の障害者権利条約に基づき、
「全ての障がい者が社会参加できるよう、あらゆる障壁を取り除くべきだ」
とあらためて強調。バリアフリーなどの物理的な環境整備に加え、障がい者への差別や偏見の撤廃を訴えている。
世界中で障がいを抱える人々が増える・・・食い止めることはできないのか?
1970年代に推計した世界の障がい者数は世界人口の約10%前後だった。しかし、近年進む高齢化や、血管の病気や糖尿病などの慢性疾患になる人も増えているため、今後も障がい者は増えていくと分析。政府や民間、研究機関による連携した対策強化も急がれている。
WHO | World Health Organization~World Report on disability podcast~The World Bank Group~15 Percent Of World Live With A Disability: WHO/World Bank Report~
世界保健機関-Wikipedia