露報道「政権の失態を大使に責任転嫁」
菅政権が22日に決定した、河野雅治・駐ロシア大使の退任が、ロシア国内で大きな波紋を呼んでいる。河野大使は11月にメドベージェフ大統領が、北方領土の国後島を訪問した際、事前の情報集などの対応に問題があったとして、事実上、更迭に近いかたちで退任となった。
24日付けのロシア・独立新聞の1面では、大使の退任を
東京は大使を「上役の代わりに罪を着せられる人」にした
という「下の者に罪を着せる」ことわざにかけた見だしで、「菅政権が、自身の失態を大使に責任転嫁した」と報道した。
メドベージェフ大統領「大使更迭は極めて残念」
同紙は、前原誠司外相が北方領土を空から視察した件や、「不法占拠」発言を例にあげ、領土問題を政権維持のため利用していると指摘し、日本政府が「領土問題を声高に掲げるかぎり」同じ失態を繰り返すだろうと、報道した。
24日に主要なテレビ局で生放送された、メドベージェフ大統領との対談番組「今年の総括」の中でも、河野大使更迭の問題は大きく取り上げられ、メドベージェフ大統領自身「(大使更迭は)極めて残念」と述べた。
河野大使の更迭に関しては、メドベージェフ大統領の国後島訪問の情報が、事前に首相官邸に伝わらなかったことが問題視されているが、大使館側は事前に情報を伝えたと主張し、東京とモスクワ、双方の意見に食い違いが見られる。
大使更迭 ロシアメディア「菅政権の失態、責任転嫁」
http://www.asahi.com/international/update/1225/TKY201012250140.html在ロシア日本国大使館「大使よりごあいさつ」
http://www.ru.emb-japan.go.jp/japan/JEMBASSY/JAMBASSADOR/JAPPEAL/index.htmlロシア・独立新聞:12/24の報道(ロシア語)
http://www.ng.ru/world/2010-12-24/7_japan.html