棺や葬儀も提供　震災に集まる民間からの善意

3月20日現在、死者の数が8000人を上回っている東北関東大震災。最終的な犠牲者の数は2万人を超えるものと見られています。遺体安置所となっている体育館などには、棺が並び、今も被災地から続々とご遺体が発見される中、ご供養に対する民間の支援も集まっています。

多数の棺が必要とされる現在、全日本葬祭業協同組合連合会（全葬連）など、災害に備えて棺の備蓄を持つ民間団体、あるいは民間の葬儀会社などから、棺が提供されています。
大きな被害を受けた福島県南相馬市では、震災後、食糧などの救援物資が届けられず、最初に届いた物資が棺200個でした。

その他、全国の団体・企業から組み立て式の棺や 遺体に着せる白い仏衣なども提供されており、霊柩車や人的な支援を検討している業者もあります。

混乱する現地では、葬儀などのご供養もままなりません。京都府にある法華寺では、鎮魂の願いを込めて、震災犠牲者の合同葬儀を執り行いました。白木の位牌と卒塔婆を供え、お経を唱えて犠牲者の冥福を祈願。49日の法要には、黒塗りの本位牌を作り、本堂に安置して永代供養する予定。ご遺族の悲しみを少しでもやわらげるべく、全ての犠牲者が対象となっています。

檀家の地元住民だけでなく、広く参加を呼びかけ、寄せられた香典は、そのまま義援金に充てることとなっています。
住職の中紙さんは「本当なら現地で供養してあげたいが、自分なら何ができるかと考えた。家族を失った人が絶望の中、少しでも良かったと思ってもらえたら」とコメント。

編集長　谷垣吉彦




◆日蓮宗法華寺　http://www009.upp.so-net.ne.jp/hokkeji/
◆全葬連　http://www.zensoren.or.jp/