ニューメディア選挙元年の呼び声
「今回の総選挙がイギリス初のe-選挙となる。」や「SNSやブログなどのニューメディアが選挙運動の必要不可欠な要因となる。」など -- ウェブ上のニュースでは、そのようなフレーズが特に目を引いている。
それに対して、立候補者たちはtwitterやブログ更新に多くの時間を割いているかもしれないが、それは従来どおりの選挙運動ほどに効果はないと考える人たちもいる。
5月6日の総選挙において労働党から立候補する、キングストン大学社会学講師Rupa Huq女史もその1人だ。(動画は、有権者に労働党支持をどのように訴えているのかというインタビューに答えているRupa huq女史)
オールドメディア VS ニューメディア
以下は4月5日付け英ガーディアン紙オンラインへのHuq女史の寄稿
'The internet won't win the election'(
選挙の勝因となるのはインターネットではない 拙訳)より引用したもの。
先日、BBC政治部主催のパネル討論に参加した際、「つぶやきが選挙を勝たせるわけではない、そこで情報交換をしている人々が選挙を勝たせてくれるんだ。」とオバマ大統領の選挙運動に携わったパネリストが断言していました。
テレビ討論とインターネットーどちらが国民の運命を決める上で重要な役割を果たすのかについて、挙手で尋ねたところ、テレビ討論に軍配が上がりました。
しかし、そもそもどちらかを選ぶというような状況ではないと思います。テレビ討論での失敗は、ウェブニュースやYouTubeで様々に採り上げられ、流されるだろうし、私たちは間違いなく、そういった映像はウイルスのように広がって、必ず私たちの目に入ることになります。
古いメディアとニューメディアは、お互いに連動して機能するのです。テクノロジーの世界での変化がいかに急速であろうとも、選挙の方向を決定づけるものというのは、4年か5年ごとの昔ながらのテレビや新聞記事の中でのぶつかり合いだと思います。
オフライン VS オンライン
現代の候補者たちはFacebookアカウントやtwitter feed、ブログといった、2005年にはほとんど存在していなかった3つのものを備えています。しかし、彼らはたくさんの封筒、リーフレットや戸別訪問者たちと選挙戦を共に戦うほうが幸せと言えるかもしれません。
オンラインキャンペーンは確かに、選挙運動において興味深い転換でありますが、最終的に選挙の行方を決めるのはオフラインでのキャンペーンであると思います。
確かに、先日の第1回TV討論の後で第3党である自由民主党のClegg党首が世論調査において高く評価されたことは記憶に新しい。イギリス総選挙を通して、選挙運動におけるニューメディアは果たしてどのような位置づけをなされるのか。
Rupa Huq女史のブログ(英語)
http://www.rupahuq.co.uk/Clegg党首率いる自由民主党公式ウェブサイト(英語)
http://www.libdems.org.uk/guardian.co.uk 'The internet won't win the election'
http://www.guardian.co.uk/commentisfree/2010/apr/05/internet-candidate-win-election