奴隷のようなインターンシップ
書類仕事に追われたり、コーヒーを調達したり(あるいはお茶を煎れたり)、電話番に明け暮れたり、ビジネスにはたくさんの雑用もつきまといます。
そしてその仕事は、往々にして地位の低い人間の仕事になります。インターンといえば、一番下っ端ですから、当然この仕事から逃れることはできません。
しかし、せっかく仕事の実体験をしにインターンシップを行っているのに、そこで得られる経験が、こんな事務仕事の基本だけで終わってしまうのは、収穫が少なすぎる気もします。
あるいは、就労の現実を学ぶインターンシップだからこそ、こういう小さなことから始めることが大事なのでしょうか?
インターンシップの意義を数字で考えてみる
インターンシップは絶対経験した方が良いというほどのものではありませんが、何もせずに長期休暇をダラダラと過ごすことに比べれば、その意義は図り知れません。
大学でも奨励されていますし、親も喜ぶでしょう。しかし、お茶汲み仕事に終わるインターンシップは本当に就職に役立つのでしょうか?
インターンシップが活発な海外では、大学生の86%が在学中にインターンシップを経験していて、そのうちの69%がさらにふたつ以上のインターンシップに挑戦しています。年々景気が悪くなるここ数年ではもっと数字が伸びる可能性もあります。
現在応募することのできるインターンシップは世界の不景気を背景に、ほとんどのものが無給で実施されています。有給のものも探せば見つかりますが、競争が激しく、決して簡単に手に入るものではありません。
直接的に得るものが無い以上、望んだ分野での就労経験こそが、インターンシップの目的となります。後の就職に有利になる経験こそが、インターンシップの収入なのです。その点で、インターンシップが就職活動に有利にならなければ、インターンはタダ働きさせられているだけです。つまり、馬鹿を見るハメになります。
もう一度考えるインターンシップの目的
有給であっても、無給であっても、インターンシップの目的は、就職活動に有利な経験を得ることです。そして、お茶汲み仕事は、決してその種の経験には当てはまりません。
することが無駄とは言いませんし、するなという意味でもありません。インターンシップをするなら、お茶汲み仕事に終始することを避けなければいけません。金銭という目に見える報酬を得られない無給のインターンこそ、自分の報酬に対して自覚を持たなければいけないのです。
わざわざ無償でインターンシップを行うのは、他の学生と就職活動で差を付けるためです。もしそれが果たせないのであれば、アルバイトに時間を費やした方がいくらか有意義です。
何が具体的にインターンシップに必要かという答えは、個人によって異なります。例えば、大学の専攻、希望の就職先などによります。
極端に言えば、インターンにある程度の就職枠が設けられていて、上司に胡麻摺りが必要なら、お茶汲み仕事を率先して行うことも、もしかしたら必要かもしれません。しかし、いずれにしても雑用しかこなせない人材は真っ先に解雇宣告の対象となるため、それだけに終始しても先がないことは覚えておきましょう。
自覚すべきなのは、インターンシップが、自分の人材としての価値を高める機会だということです。自分のキャリアや目的などを再確認し、意義のあるインターンシップを行わなければ、ただ単にタダ働きで時間を浪費するだけに終わってしまいます。
Are internships slave labor?