インタビューの経由
先日TechCrunchから解雇宣告されたばかりのインターンが、別のウェブサイトでインタービューに答えました。インタビューを行ったのはMixergy.comのアンドリュー・ワーナー氏。インタビューの動画はネット上で公開されています。
2月5日にTechCrunchで公表されたインターン解雇の発表には、「記事を書く見返りに物品を要求していた」ということは書かれていましたが、インターンの名前は含まれていませんでした。その後、このインターン、ダニエルさんは自身のブログに謝罪文を掲載し、細かいことには触れず、少し普通の10代の生活に戻りたいと発言しています。
ダニエルさんは、現在17歳。Teens in Tech Networksを設立した人物でもあり、サンフランシスコのGoogle社で行われたTeens in Tech Conference 2.0の開催に際しても、中心的な役割を果たした人物でもあります。解雇はまさに、この重要なイベントが開催される直前。10代のホープでもあった彼の意外な躓きに、業界が注目しています。
異例の解雇通告は、特にシリコンバレー周辺に身を置く人々から注目を集めていました。インタビューを行ったワーナー氏も、どのような経緯があったのかに強い興味を抱き、今回のインタビューは自分から申し出たとインタビュー記事に書き加えています。
そして「詳しいことに触れるつもりはない」というブログでの発言から一転、ダニエルさん側からも、事実が語られることになりました。
インタビューの内容
ネットでの公開は本人も許可しているというアンドリューさんの前置きを挟んで、具体的にダニエルさんがTechCrunchでどのような仕事に就いていたのか、という説明からインタビューは始まります。次いで、ダニエルさんの経歴、事件に至った経由と続きます。
ダニエルさんのインタビューからは、TechCrunchがインターンをあまり監視せず、放任主義を貫いていたことが分ります。その環境の中で、ダニエルさんは自分の野心に従って突き進んでいき、結果として事態がエスカレートしていったと、事件を振り返っています。
ダニエルさんは、もともと記者としてのインターンではなく、別の部門のインターンとして雇われていたことをインタビューで明かしています。また、就労に関する契約書がなかったことや、名刺はあっても、具体的な肩書きや相談すべき上司、責任を負うべき事業などが明確化されていなかったと語っています。
彼はこれをTechCrunchの事業が成功した秘訣として捉えていたようです。TechCrunchでの仕事は彼にとってまさに夢の仕事であり、度々垣根を越えた能力が試されるTechCrunchの仕事を好んでいたようです。またその仕事を失ったことを悲しみ、人生で一番辛い時間を過ごしたと語っています。
インターンでありながら、他の社員と変わらない活躍を見せるようになったダニエルさんは、たくさんの業界の有名人と知り合います。今回彼が物品を要求したと言われている企業もその中のひとつだったようです。ダニエルさんは、物品による取引先からの報酬はなく、企業が求めていたとされる記事も書いた覚えがないと明言しています。
しかし、中には類似の動きがあったことも事実なようです。実際に誕生日に、自分の紹介で提携した企業からiMacをプレゼントしてもらったこともあると明かしています。プレゼントは極めて個人的なもので、ビジネスへの影響はなく、表面上波風を立てないようにしていたようです。今回の件は、最初はビジネスで黙認されている行為が、徐々にエスカレートした、という表現が合うかもしれません。
ダニエルさんは、今回の騒動の原因となったことは、半日の間にあっという間に過ぎてしまったことで、非常にデリケートな話題でもあるので、明言は避けたいと正直に発言しています。そのため、具体的に彼がどの程度まで関与していたのか、彼にどの程度非があるのか、それとも業界の体質なのか、管理の行き届いていなかったTechCrunchに何か非があるのかなどは判断できないままです。
ただ、彼は、話し合いの空気を盛り上げるための冗談として、物品による報酬の話が客先との間にあったことを認め、実際に取引はなくても、「TechCrunchが築いてきたものを歪めてしまった」ために、解雇されたのだと説明しています。また、解雇したTechCrunchを恨むような人間にはなりたくないとして、社会での実体験のひとつとして、この経験を今後に活かしたいと前向きな意見を残しています。
Exclusive: Meet The Writer That TechCrunch Terminated – with Daniel BrusilovskyTeens in Tech Conference 2.0